国土強靭化 「実施中期計画」閣議決定 20兆円強、資材・人件費高騰にも対応

政府は6日、国土強靱化実施中期計画を閣議決定した。計画期間は2026~30年度の5年間で、期間内に実施する施策に326施策が上げられ、このうち推進すべき施策に「災害に強い道路ネットワークとして必要な高規格道路」の整備と、優先整備区間等の4車線化などを含む114施策が定められた。

事業規模は概ね20兆円強程度と想定。近年、激甚化・頻発化する自然災害に対し、安全・安心に資する強靱な国土づくりを大きく前進する。

防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策の後継計画として、切れ目のない国土強靱化施策を進める。計画の柱ごとの事業規模は「防災インフラの整備・管理」が5兆8000億円、「ライフラインの強靱化」が10兆6000億円、「デジタルなど新技術の活用」が3000億円、「官民連携の強化」が1兆8000億円、「地域防災力の強化」が1兆8000億円。

事業規模について、今後の資材価格、人件費の高騰の影響を適切に反映させていくほか、期間内の災害の発生状況や事業の進捗状況等を踏まえ、「機動的・弾力的に対応する」方針も示された。

「災害外力・耐力」「社会状況」「事業実施環境」の3つの変化に対応する施策を展開する。関係省庁の枠を超えた流域治水や道路施設の老朽化対策、住宅・建築物の耐震化を進める。埼玉県八潮市の道路陥没事故を踏まえ、上下水道施設の強靱化に取り組む。

高規格道路については、「道路ネットワークの機能強化対策」として、20年度末時点で約6000㌔の未整備区間の整備完了率を30年度までに19%、84年度までに100%を目指す。4車線化についても73年度までに完了する目標が示された。

閣議後の記者会見で中野洋昌国交相は「予防保全型メンテナンスの早期転換に加え建設業の担い手確保への対応など、関係省庁と連携しながら防災・減災、国土強靱化への取り組みを全力で進めていく」と意欲を示した。

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