NEXCO中日本管内の料金所管内で4月に発生した大規模なETCのシステム障害について、同社と東日本、西日本のNEXCO3社は6月23日、再発防止策をまとめた。広域的なシステム障害により円滑な料金徴収が困難となった場合は「料金を徴収しない」ことを明記し、渋滞対策として料金所のバーを開放するといった必要な対応を行う。3社では今回の再発防止策を反映させた危機対応マニュアルを策定し、今月からの運用を目指す。
4月6日に発生したシステム障害は約38時間続き、最大8都県106カ所の料金所でETCが利用できなくなった。この影響により、各地で交通渋滞が起きたり、料金が徴収できなくなったりした。広域障害を想定したマニュアルの不備が対応の遅れにつながったとして、4月に危機管理検討委員会を設置し、対応方について議論を進めてきた。
今回まとめられた再発防止策によると、広域障害時には迅速かつ統一的な判断や指示が行えるよう、状況に応じて本部体制を構築。1料金所でシステム関係の異常を感知した場合に「警戒体制」を敷き、同一支社内で複数の料金所で障害の発生が疑われるような事態には社長をトップとする「非常体制」に移行して対応する。
状況に応じ本部体制構築 「料金は徴収しない」明記
「料金を徴収しない」ことについて、道路整備特別措置法では、緊急車両や災害救助用車両など告示で定める車両については料金を徴収しないとされている。今後、システム障害時には一般車両も徴収対象外に出来るよう、国で告示の改正を検討しているという。
同日、名古屋市で行われたNEXCO3社の会見では、中日本の中井俊雄保全企画本部長、村井修一社長COO付防災担当部長のほか、東日本の田仲博幸管理事業本部長、西日本の永田順宏保全サービス事業本部長が出席。中日本の中井保全企画本部長は「システム障害を起こさないこと、万が一発生してもお客様に絶対ご迷惑をおかけしないという考えを徹底するため防止策をまとめた。社員全員が実行できるよう訓練も実施していく」と説明した。