NEXCO3社25年度3月期決算 収入増加も減益に 維持管理の費用等で

NEXCO3社の2025年度3月期決算が6月13日、出揃った。交通量が回復傾向にあることから料金収入、SAの事業収入が増加した一方、除雪や修繕といった維持管理の費用等がかさんだことから各社で減益となった。26年度3月期については、人件費や資材価格の高騰は続くものの、料金収入の堅調傾向は続くと予想され、黒字確保を見込んでいる。

■東日本

高速道路事業の営業収益は対前年度比5・0%増の1兆978億円。このうち料金収入は、交通量が同1・8%増(通行台数302万台/日)となったこと等から、同2・5%増の8369億円となった。

日本高速道路保有・債務返済機構に引き渡す高速道路資産を示す道路資産完成高は、圏央道・幸手IC~五霞ICの4車線化事業やリニューアルプロジェクトの推進等により、同14・3%増の2590億円が計上された。

高速道路の営業費用は同5・3%増の1兆994億円を計上。管理費用等は、降雪量の増加に伴う雪氷対策費用など、維持管理費が増加。同4・7%増の2581億円となった。

結果、高速道路事業は15億円の営業損失を計上。関連事業と合わせた当期純利益は同33・3%減の58億円となった。

■中日本

高速道路事業の営業収益は、対前年度比6・5%増の9625億円。内訳は、料金収入が同2・2%増の6871億円、道路資産完成高が同18・9%増の2735億円、その他収入が同39・4%増の18億円。

料金収入は交通量が1・5%増の205万台/日と堅調に推移したため、増収になった。道路資産完成高の増収は、3月の東海環状自動車道・いなべIC~大安IC間の新規開通等の積み上げがあったため。

営業費用では、雪氷対策費等の増加や労務費の上昇、点検結果を踏まえた補修の増加の影響により、管理費用が同5・4%増の2018億円を計上。道路資産賃借料も同3・3%増の4929億円となった結果、高速道路事業は57億円の営業損失を計上した。

一方、関連事業が76億円の営業利益となったため、全体で19億円の営業利益を確保。当期純利益は900万円となった。

■西日本

管内の通行台数は対前年度比1・5%増の306万台/日となり、料金収入は同2・5%増の7801億円を計上。道路資産完成高は、西九州自動車道(佐世保道路)の4車線化事業の完成や中国自動車道リニューアル工事の一部完成等があり、同55・4%増の4131億円となった。

一方、管理費用は、前年に比べて降雪量が増加したこと等に伴う凍結防止や除雪費用が増加したことから、同3・6%増の2280億円。道路資産賃借料も増加し、高速道路事業の営業利益は同81・3%減の8億円となった。

関連事業は、通行台数の堅調な傾向からSA・PAの飲食物販売が好調に推移。同10・5%増、59億円の営業利益が計上された。

全事業の営業利益は同31・9%減の68億円。当期純利益は同13・9%減の91億円となった。

NEXCO3社 2025年3月期決算概要(PDF)

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