書籍紹介 土木ー100年後の日本を支える「人の力」 山崎エリカ著

この人は、土木の現場も好きだし、そこで働く人のことも好きなんだと、写真と文章から伝わってくる。インフラメンテナンスやアクアラインの熱のこもった写真集で知られる写真家・山崎エリナさんが土木学会から出版した初のフォトエッセイ集「土木―100年後の日本を支える『人の力』」だ。

初のフォトエッセイ集

本書は、2023~24年に「土木学会誌」の表紙などに掲載された写真とエッセイを一冊にまとめたもの。橋梁点検、ダム建設、道路工事、河川の清掃活動など、収められているのは多岐にわたる土木の現場だ。写真から伝わる構造物と人の一体感はどこから来るのかと思ったら、本書にその理由が記されていた。「現場が『エイ!』と息を合わせて重量物を動かす、その瞬間を収めたくて、息を殺しシャッターを切った。」。

切り取られた写真からは、作業に向き合う真剣な表情や仕草、現場に息づく緊張感、そして仕事への誇りも伝わってくる。現場で交わされる作業スタッフとの豊かなやり取りも印象的。本書によると、鉄道の現場では、工事完成後に線路の上を電車が走り始めることを「血が通った」と表現するのだそうだ。膝を打つ感覚は、土木人共通のものだろう。

このフォトエッセイ集には、すべての土木業界に共通する、100年後の日本を支える「誇りと使命」が収められている。土木関係者はもちろん、普段インフラを利用する人にも、土木の仕事の奥深さと魅力が伝わる一冊。

▽定価=3300円+税
▽編集=土木学会誌編集委員会
▽仕様=A5判112頁

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