[caption id="attachment_13127" align="alignleft" width="300"] 1月28日貫通式 早期運用を誓う[/caption]
暫定2車線区間の4車線化は喫緊の課題だ。4車線化事業は、激甚化・頻発化する自然災害の際に緊急輸送路を確保するため、更には物流の円滑化や2車線であるために発生する痛ましい事故を防ぐためなど様々な効果が期待される。当面整備する区間として優先整備区間880㌔が選定されており、その整備の推進が基本方針となっている。1月28日には東海環状自動車道・土岐JCT~可児御嵩IC間の4車線化事業として柿田トンネルが貫通。地域が待望する4車線化の実現へ前進した。
NEXCO中日本名古屋支社(池田光次支社長)が整備を進める東海環状自動車道の柿田トンネルが1月28日、貫通した。工事は、東海環状道・土岐JCT~可児御嵩IC付近の4車線化事業の一環で実施しているもので、事業区間初のトンネル貫通で、柿田トンネルは区間最長となる。
可児市柿田のトンネル坑口で行われた貫通式には、地元選出の国会議員として金子俊平衆議院議員、渡辺猛之参議院議員、大野泰正参議院議員の3氏が駆け付けたほか、冨田成輝可児市長、加藤淳司土岐市長、藤井浩人美濃加茂市長など沿線首長、関係者が多数出席。早期4車線化の実現を祈念した。
式典では池田支社長らが貫通発破のスイッチを点火。無事貫通が確認されると、施工した大林組の秋山幸一柿田トンネル工事事務所長が藤原由康岐阜工事事務所長に貫通を伝え、藤原所長が「設計通り誤差なく貫通した」と報告し、通り初めの儀が執り行われた。
発注者挨拶で池田支社長は「多くの関係者のおかげで、2020年10月の掘削着手から約2年で貫通を迎えることができた。工事は供用中の高速道路が近く、低土被り区間もあり大変難しい工事だったが、施工者や協力企業の技術力により、無事故でこの日を迎えることができた」と謝辞。「今後、安全を最優先に1日も早い運用開始を目指し、着実に事業を推進していく」と決意を語った。
続く来賓祝辞では、冨田可児市長が「市民の念願である4車線化に向け、着実に進めていただき感謝する。ストック効果をしっかり発揮されるよう取り組む」と挨拶。最後に施工者を代表して、大林組の山本裕一名古屋支店長が「工事はこれから本格的な仕上げの段階に入る。いま一度決意を新たにし、完成まで誠心誠意、万全を期す」と語った。
柿田トンネルの延長は1638㍍。掘削断面積は約80平方㍍でNATMを採用し、可児御嵩IC側から掘削が進められた。工期は23年10月13日まで。供用中のトンネルとは約20㍍の距離で近接し、約10㍍の低土被り区間もあったが、無事貫通となった。