国土交通省青森河川国道事務所(山田拓也所長)は10月27日、整備を進めてきた国道45号天間林道路・七戸IC~七戸北IC(延長8・3㌔)が今月27日午後3時に開通すると発表した。
これに伴い八戸市と青森市を結ぶ上北自動車道(約23・7㌔)は全線開通となる。全3区間のうち、上北道路7・7㌔は13年、上北天間林道路7・8㌔は19年に開通済みとなっていた。当日は11時から七戸町内において、東北地方整備局と青森県、七戸町が主催する開通式典を関係者のみで行う。
この開通により、青森市~八戸市間の所要時間は、現道の4号、45号等経由で約2時間かかっていたのが、約1時間30分と約30分短縮。青森県の人口124万人のうちの約7割の88万人が集中する弘前、青森、八戸3都市圏の流動人口が増え、連携強化が期待される。
特産品の出荷量拡大も見込まれる。青森県はヤマト運輸と連携協定を結び、輸送時間を短縮して鮮度・品質を保持した特産品の流通拡大を目指す新たなサービス『A!Premium輸送サービス』を15年に開始。航空機を使用して翌日午前中配達エリアを大幅に拡大し、西日本への販路を構築をしてきた。今年8月からは青森空港を利用した海外向け輸送も開始。今回の開通で、輸送時間が短縮することにより、夕方青森空港から成田空港・羽田空港へ空輸された特産品を、夜・深夜便で海外へ出荷が可能となり、アジア圏へ最短翌日配送出来るようになる。
地域産業においては、青森県は杉の素材生産量は全国4位で、上北自動車道IC付近には国内最大規模の木材加工工場があり、物流が効率化することで原木搬入から製品加工までの生産性も向上する。
救急医療については、沿線の東北町、七戸町から三次救急医療施設への搬送は、約6割が八戸市立市民病院で、上北天間林道路開通後は搬送時間が19分短縮。天間林道路開通後は更に13分短縮し、安定走行区間割合も90%以上に向上するなど、速達性・安定性が飛躍的に向上する。