[caption id="attachment_13955" align="alignleft" width="226"] 全高速会長 河野俊嗣 宮崎県知事[/caption]
全国高速道路建設協議会の諸活動につきまして、常任世話人の国会議員の先生方をはじめ、各都道府県の知事や議会議長、関係市町村長の皆様に、日頃から多大な御尽力と御指導を賜り、厚くお礼申し上げます。
全高速では、災害の脅威と、コロナ禍で疲弊した地域経済の活性化に対応していくため、ミッシングリンクの解消によるダブルネットワークの構築や暫定2車線区間の4車線化、スマートICの整備など高規格道路の整備推進、既存高速道路の機能強化等に向け、国への提言活動を展開してまいりました。
我が国の国土は災害に対して脆弱であり、想定されている南海トラフ地震、首都圏直下地震などの大規模地震、そして激甚化・頻発化する自然災害から国民の生命、財産を守るため、高規格道路の整備促進と機能強化は急務の課題となっています。
1年前の元旦、石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」が発生しました。能登地方は9月に豪雨に見舞われるなど、厳しい状況が続いています。また8月には宮崎県東部の日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震が発生し、初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発令されました。
気候変動の影響は顕著となっており、激甚化・頻発化する自然災害により、毎年痛ましい被害が発生しています。昨夏も6月には台風2号に伴い前線が活発化し、大雨による被害が拡大したほか、7月には九州を中心に、線状降水帯の発生による大雨が発生し、甚大な被害がもたらされました。また冬季では年末年始にかけて、強い寒気が流れ込み、日本海側を中心に記録的な大雪に見舞われています。
こうした災害への備えは急務であり、能登半島地震の速やかな復旧・復興、国土強靱化の取り組みは喫緊の課題です。大規模災害時における広域支援ルートとして、国民の命を守る社会資本の要となるのが高規格道路であり、災害時だけでなく、平時においても安定的な人流・物流を支える強靱な国土幹線道路ネットワークを構築していくことは国民の総意でもあります。
高規格道路を含め、道路の国土強靱化は、社会インフラ全体を将来世代にバトンを渡していくためにも、極めて重要です。
国が21年度より実施の「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」につきましては、当初予算で足りない分を補正予算で補う状況となっていました。本年度補正予算は会員の皆様、全高速の要望が盛り込まれた形で、昨年末に可決、成立いたしました。
5か年加速化対策後も切れ目なく、国土強靱化の取り組みを進めていくためには、議員立法で成立した国土強靱化基本法に基づき、「国土強靱化実施中期計画」を早期に策定し、必要な予算、財源を通常予算とは別枠で確保していかなければなりません。
実施中期計画につきましては現在、政府において具体的な検討が行われています。今後、中長期的な見通しのもとに、国土強靱化に資する施策を計画的かつ着実に推進していくことは、国家的課題と言えます。
全高速では、国土強靱化の推進を柱に、高規格道路のミッシングリンク解消の実現に向けた道路予算の確保等を、7月の総会、12月の特別要望を通じて、政府への提言活動を実施しました。その結果としまして、国の財政が逼迫する中、2025年度道路関係予算案は前年度から微増の2兆1189億円が計上されました。
こうした具体的な成果は、全高速加盟の会員団体の皆様の要望活動の賜物であり、深く感謝申し上げます。
年明けの通常国会では予算審議が本格化しますが、早期に成立し、着実に予算を執行していくことは、国土強靱化の推進、更には政府が掲げる「地方創生2.0」の実現にもつながります。
全高速では2025年度、国会審議を注視しつつ、高規格道路の整備促進と機能強化、それに必要な予算の確保に向け、国への提言活動をさらに拡充しいく所存です。関係各位の一層のご指導、ご支援をお願い申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。