政府は25日、トラック運転手が不足する物流の2024年問題に対処する「我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議」を開き、今後の対応策を決めた。1台で大型トラック2台分の荷物を運べる「ダブル連結トラック」について、9月から道央自動車道、首都高速道路、阪神高速道路での走行を解禁することを確認。北海道内での導入は初めて。通行可能区間は2割超拡大し、計6330㌔とる。
対応策には、高速道路の中央分離帯などで自動カートが荷物を運ぶ「自動物流道路」で、27年度までに新東名高速道路の一部区間で社会実験を行うことも盛り込まれた。輸送量が最も多い東京~大阪間での導入に向け、輸送効率やコストを確かめる。
ダブル連結トラックは、深刻化するドライバー不足対策の一つとして期待され、二酸化炭素の排出量が少ないなど環境への負荷の低減効果も見込まれている。19年に新東名で初めて導入され、段階的に拡大してきた。今回、新たに首都高速の湾岸線、阪神高速で関西国際空港と神戸を結ぶ一部路線、道央道の一部路線などを加えることにした。
9月以降、運送事業者から通行申請許可を受け付ける。上信越道や北陸道、中国道についても通行区間を拡充し、現行ルートの迂回路を確保。災害時に物流が停滞しないための備えを強化する方針だ。