すさみ串本道路「27年夏頃開通予定」へ

近畿地方整備局の紀南河川国道事務所は4月23日、一般国道42号「すさみ串本道路」の開通予定を2027年夏とすることを発表した。当初は今春の開通予定だったが、基礎掘削中に地盤の亀裂が見つかったことなどから、改めて工程を精査。同日に行われた事業工程会議で報告された。

すさみ串本道路は、和歌山県東牟婁郡串本町と西牟婁郡すさみ町を結ぶ延長19・2㌔の高速道路。「紀伊半島一周高速道路」として全線完成が待望される近畿自動車道紀勢線の一部を構成し、南海トラフ地震発災時の交通確保や救急医療活動、広域周遊観光等に資することが期待されている。

現在、全線にわたって工事が進められているが、串本町和深の安指川橋(仮称)で、橋脚を造る際に通常の掘削機では対応できない硬質岩が多数出現したため、施工に通常の約4倍を要した。

さらには昨年7月、すさみ町里野の小河瀬谷川橋(仮称)の基礎掘削中、地盤のひび割れが多い箇所が見つかった。このため、工事を一時中断。直接基礎から杭基礎(深礎杭)に構造を変更し、修正設計を行った。4月には工事が再開された。

こうした課題に対応していくため、紀南河川国道事務所では昨年12月、25年春としていた開通予定の見直しを発表。そして今回、小河瀬谷川橋の対応が進み、工程を精査した結果、開通予定を27年夏とすることを改めて示した。

事業工程会議で、同事務所は「1日でも早く開通できるよう、引き続き工期短縮に努める」と説明。開通まで時間を要するため、開通前でも概ね完成した区間や工事用道路などを緊急輸送道路や住民の避難路として活用するとしている。

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