日本初の高速道路である名神高速道路が2025年7月1日に小牧IC~西宮IC間の全線開通から60年を迎えた。NEXCO西日本と中日本は6月26日、名神高速道路全通の整備効果を公表した。60年の経済波及効果は累計で約32兆円に上り、愛知、岐阜、滋賀、京都、大阪、京都の名神沿線6府県への効果は約8割を占めた。通行台数は1日25万台で、2024年度末までの累計通行台数は約47億台。東西を結ぶ名神は、現在整備中の新名神とともに日本の大動脈として、高速道路のトップランナーとして日本経済の発展を支え続けている。
名神高速道路は、1963年7月の栗東IC~尼崎IC間を皮切りに、翌1964年に尼崎IC~西宮IC間、一宮IC~栗東IC間が開通。そして1965年7月1日に小牧IC~一宮IC間が開通し、延長189・3㌔の全線が開通となった。当時、約4時間を要した小牧~西宮間の所要時間が約2時間20分と100分短縮されるなど、新名神の全通は本格的なモータリゼーションの到来を象徴づけた。
西日本、中日本調べによると、1963年の初開通から2024年度までの名神の累計通行台数は約47億台を記録。近畿~東海の自動車移動量は17・3万台/日で、これは東名等による関東~東海(18・8万台/日)に次ぐもの。名神は東名とともに東西の大動脈として、日本を支えてきた。
名神は高速バスの重要なルートでもあり、全通した1965年には日本初の高速バスとして国鉄バス名神高速線が開業。大阪から東海、関東、北陸など大阪以東を結ぶ高速バスの利用者は当時の約7倍、約30万人/年に上っている。
名神沿線6府県の工業団地のうち、約5割の工業団地が名神沿線市町に立地している。沿線6府県の製品出荷額も60年の間に約29倍と飛躍的に伸長。21年度実績で108兆円となっている。