高速道路の正面衝突事故防止対策に関する技術検討委員会 防止対策の設置対象拡大 今秋協議 15路線、延長17㌔区間

「高速道路の正面衝突事故防止対策に関する技術検討委員会」(委員長=桑原雅夫東京大学・東北大学名誉教授)は5日、第8回会合を開催。高速道路や有料道路の暫定2車線区間で試行しているセンターパイプなど正面衝突防止対策の設置対象を拡大することが報告された。新たに15路線、延長17㌔の区間を対象に、今秋にも設置に向けた協議に入る。トンネルはこれまでC・D級を対象としてきたが、新たに避難坑がないB級等以上のトンネルから選定する。

正面衝突防止対策を巡っては16年度から検討に着手し,技術公募を経て土工部や中小橋梁部がワイヤロープ、より安全性が求められる長大橋梁部やトンネル部がセンターパイプ式とセンターブロック式の2種類を採用した。土工部などは22年度にほぼ設置が完了している。

長大橋梁とトンネル部は21年10月に試行設置を始め、23年8月以降、設置箇所を拡大し、25年6月末までに長大橋梁42カ所(約11・4㌔)、トンネル8カ所(約1・7㌔)の設置が完了。現時点で長大橋1橋が残っているが、工事発注済みで26年度までに終わる予定。

拡大する対象区間は、高速道路会社が所管する高速道路と有料道路など全国15路線のうち、長大橋梁と避難坑のないトンネル。具体的な設置区間などの協議が完了次第、工事に入る。着工は26年度以降になる見込み。

会合では、試行設置に向けた検討事項として、避難坑があるトンネル区間の開口部設置が挙げられた。緊急時の車両横断部が必要とし、避難連絡坑に合わせて区画柵に約300~400㍍ごとに約20㍍の開口部を設けることを想定。ただ、設置に関する基準がないため、慎重な検討が必要とした。

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