4車線化渋滞対策は喫緊の課題 飛騨清見~白川郷間の4車線化早期に実現を 東海北陸道2団体6日に要望

[caption id="attachment_14022" align="alignleft" width="300"] 神田財務副大臣(中央左)に要望書を手交する田中高山市長(中央右)[/caption]

高速道路ネットワークの役割は日本の社会経済を支えるものとして、また災害時の命の道として最重要なインフラとなっている。一方、暫定2車線であるが故の重大事故の発生や著しい渋滞といった課題も浮き彫りとなる。暫定2車線区間を抱える地域からは早期4車線化の要望が相次ぎ、また物流、観光需要の回復や2024年問題への対応が迫れる地域では渋滞緩和に向けた対策を求める声はより切実となっている。

 

東海北陸自動車道建設促進同盟会と岐阜県東海北陸自動車道建設連絡協議会(両会長=古田肇岐阜県知事)は6日、要望活動を実施。国土交通省、財務省、首相官邸等に対し、未だ4車線化されていない飛驒清見IC~白川郷IC間の早期事業化等を求めた。

当日は、岐阜県から田中明高山市長と都竹淳也飛驒市長、成原茂白川村長、富山県から田中幹夫南砺市長ら10人が上京。金子俊平衆院議員や渡辺猛之、大野泰正両参院議員、橘慶一郎衆院議員の立ち会いのもと、国土交通省では堂故茂副大臣、吉岡幹夫技監と丹羽克彦道路局長と面談。財務省では神田憲次副大臣、自民党本部では茂木敏充幹事長、首相官邸で村井英樹内閣官房副長官と面談し、要望書を手交した。

東海北陸自動車道は約3割が暫定2車線であり、深刻な事故や交通渋滞発生の懸念など安全性、信頼性に係る課題が大きい状況であると強調。最大の難所とされる飛驒トンネル(全長10・7㌔)を含む飛驒清見IC~白川郷IC間(延長約23㌔)について、工事が長期化することが懸念されることから、4車線化の早期事業化を強く訴えた。
成原白川村長は「飛驒トンネルでは故障車が発生しただけで5時間以上の通行止めが行われ、緊急車両が通行できず影響が大きい」、田中南砺市長は今年、発生した正面衝突事故をあげ、「対面通行は非常に危険である」などと訴えた。田中高山市長らは「料金徴収期間の延長により確保された財源などを活用し、全線4車線化をお願いしたい」と強く要望した。

堂故国交副大臣、神田財務副大臣等も理解示す

要望を受け、堂故副大臣は「全線4車線化に向け頑張っていきたい。トンネルが大変多い区間であるが、知恵と工夫を絞って作戦を考えたい」と応じたほか、神田副大臣は「地域の交流人口を増やすためのインフラ整備は必要である。全線4車線化には努力したい」、茂木幹事長は「政府とも連携し事業を進めていきたい」、村井官房副長官は「事故の心配などを考えると4車線化が必要である。一致協力していく」と各氏とも4車線化の早期整備に理解を示した。

このほか要望書には▽4車線化事業中の白川郷IC~五箇山IC間、五箇山IC~福光IC、福光IC~南砺スマートIC間の完成見通しと早期完成▽五箇山IC付近の付加車線設置事業の1日も早い完成▽沿線地域の活性化、物流効率化等の課題解決に有効な城端スマートICの1日も早い完成が盛り込まれた。

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