「骨太方針」閣議決定 国土強靭化予算の確保を明記

政府は17日の臨時閣議で、経済財政運営の基本指針「骨太の方針」と成長戦略を決定した。新型コロナウイルス感染拡大対策を柱に、行政のデジタル化を推進するため政府内に新たな司令塔を設置すること等が盛り込まれたほか、「令和2年7月豪雨」はじめ近年頻発化する自然災害への対応、備えのため、防災・減災対策の拡充も明記。防災・減災を実現する国土強靱化対策に十分な予算を確保していくことが示された。

防災・減災として取り組んできた国土強靱化3カ年計画緊急対策は20年度末に期限を迎える。相次ぐ豪雨災害等から、同対策の延長、継続を求める声が各地から多く寄せられていた。

12日には、「令和2年7月豪雨」の被災地を視察した自民党の岸田文雄政調会長は「3カ年の緊急対策は来年3月が期限だ。この計画は当然、将来に向けて中長期的な取り組み続けていかなければいけない課題」と語り、「骨太の方針」にどう反映されるか注視していくことを強調した。

14日の自公両党の幹事長、国対委員長の国会内での会談では、災害に強い国土強靱化について、21年度から5年間、特別枠で十分な予算を確保するよう政府に求める方針を確認。会談後、自民党の森山裕国対委員長は「政府・与党が一丸となって取り組むことで一致した。事前防災を含めた災害対応を進めてほしい」と語った。

こうしたことを受け、方針では防災・減災対策として「3カ年緊急対策後も中長期的視点に立って、国土強靭化基本計画に基づき、必要・十分な予算を確保し、オールジャパンで対策を進め、災害に屈しない国土づくりを進める」と明記。緊急防災・減災債等についても、地方自治体の検討状況等を踏まえ「適切に検討を行う」とされた。

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