「4車線化進め方」審議 国土幹線道路部会 指標化で優先区間選定

社会資本整備審議会道路分科会の国土幹線道路部会(部会長=朝倉康夫東京工業大学環境・社会理工学院教授)は10日、国交省内で第34回部会を開き、今夏策定の「高速道路における安全・安心計画」の構成と、同計画に盛り込まれる暫定2車線区間の4車線化における優先整備区間選定の考え方について審議した。

部会では4車線化の進め方案が示された。選定にあたっては①時間信頼性確保②事故防止③ネットワークの代替性確保――の観点で指標を設定する。時間信頼性では「速度低下」や「渋滞回数」等のデータに基づき算出。事故防止では「事故件数」と「発生率」、ネットワークの代替性では「通行止め時間」や「積雪地かつ急勾配」、「特定更新等工事」などが指標設定のベースとなる。これら指標を活用して、優先整備区間とそうでない区間を分ける等の絞り込み作業が行われることになる。

4車線化の優先整備区間は、暫定2車線で運用している高速道路(有料約1600㌔)のうち、先の財政投融資で候補となった区間85㌔を除いた箇所を選ぶ。この有料区間1600㌔を4車線化するためには8兆円の投資が必要との試算もある。

このため、部会では各委員から「整備にするにあたって、財投だけでなく、新たな財源や利用者負担のあり方も検討する必要がある」等の問題提起がなされたほか、今後の無料区間の4車線化についても「有料による検討も必要」との指摘も出された。

財源担保関わらず 今夏策定の「安全・安心計画」

また、「安全・安心計画」の審議では、基本理念や方針などを示す基本計画と、具体施策を明記する実施計画を柱とし、4車線化や防災・減災対策、スマートIC等による地域とのアクセス強化、高速トラック輸送の効率化支援等の施策を盛り込むことが確認された。

基本計画については国交省が高速会社の意見を聞きながら策定し、実施計画は高速会社が作る。計画期間は施策毎に決定し、財源の担保に関わらず計画を策定していくことも了承された。

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