ワイヤロープ設置箇所で死亡事故ゼロ 第4回技術検討委員会 飛び出し防止効果を確認

「高速道路の正面衝突事故防止対策に関する技術検討委員会」(委員長=桑原雅夫東北大学大学院情報科学研究科教授)は19日、国交省内で第4回委員会を開催=写真=。ワイヤロープ設置個所で死亡事故がゼロとなるなど、顕著な飛び出し防止効果を確認した。

高速道路の暫定2車線区間で正面衝突事故を防ぐ緊急対策として、国交省では18年度から21路線、約180㌔の箇所にワイヤロープを設置。同委員会では事務局の報告に基づき、その効果を検証した。

報告によると、設置区間では17~18年度に発生した接触事故は551件に上ったが、ワイヤロープ設置後の死亡事故はゼロだった。対向車線への飛び出し事故は4件に止まり、ラバーポールで車線を区分していた16年の71件から大幅に低下。高い飛び出し防止効果を上げているが確認された。その一方で、カーブが連続する箇所等で、16年に比べ接触事故が集中して発生していることから、国交省やNEXCO各社で注意喚起対策を今後実施していくことにしている。

橋長50㍍未満の中小橋を対象に試行しているワイヤロープの新たな支柱定着方法の状況も報告された。

気温の上昇に伴う舗装の盛り上がりで、ワイヤロープの支柱が傾倒する事象が東海環状自動車道、松山自動車道、東九州自動車道で発生。新たな方法として開発された床版一体型コンクリート基礎では温度変化の影響がないことが報告され、今後、問題がなければ本格的に運用を始めるという。

暫定2車線の高速道路の正面衝突事故防止対策の検証状況(PDF)

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