中国横断道尾道松江線「中国やまなみ街道」全通

中国横断自動車道尾道松江線の世羅IC~吉舎IC間(延長20・4㌔)が22日に開通した。これにより、愛称“中国やまなみ街道”として早期完成が待望されていた尾道松江線137㌔が全通。山陰から山陽、そして西瀬戸自動車道経由で四国へ繋がる高速ネットワークの大動脈が完成したことになり、当日現地で行われた開通式典には沿線関係者など約600人が駆けつけ、歓喜の声に包まれた。
尾道松江線は、中国横断自動車道のうち起点を広島県尾道市、終点を島根県松江市とする路線で、平成15年度の国幹会議の議を経て国、地方が整備費を負担する新直轄方式に移行。今回開通した世羅~吉舎間を含む尾道北IC~三刀屋木次IC間の約110㌔が直轄の無料高速となる。地元の熱意から着々と整備が進み、昨年の公募では「中国やまなみ街道」とすることが決定した。
国土交通省中国地方整備局によると、尾道松江線が全通することで尾道市から松江市までの移動時間が3時間50分から2時間30分と約80分も短縮。日本海側拠点港の境港から広島方面や瀬戸内地域との高速物流ネットワークが形成され、北東アジア地域との貿易の促進や、国内海上物流の拡大が期待されている。
広島県三次市の市民ホールで行われた開通式典では、溝口善兵衛島根県知事が「日本海、瀬戸内海、太平洋を結ぶ南北軸が完成する。地域の命の道となるとともに、観光振興や企業進出など地域全体の発展に大きく寄与する」と挨拶。湯崎英彦広島県知事も「島根県とも連携し、中国地方が活力に満ちた地域になるよう全力で取り組む」と述べ、尾道松江線を活かした地域づくりに強い意欲を示した。
世羅IC付近に移して行われた祝賀行事では、晴天が広がる中、地元児童や沿線8市町村のゆるキャラ13体も加わってテープカット。待望の“中国やまなみ街道”全通を祝った。

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