中日本 鹿島と共同開発 橋梁床版にUHPFRCでコスト削減

NEXCO中日本は、鹿島建設との共同で、工場で製作する床版の材料として使用されている超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を、橋梁の床版の劣化部の補修の際に打設できる材料に改良し、床版の耐荷力と耐久性を高める技術を開発したと12月23日、発表した。今後、床版の新たなリニューアル方法として、実用化に向け試験工事を行っていく考えだ。

従来の床版の劣化部を現場で補修・補強する鋼繊維補強コンクリート(SFRC)は、UHPFRCより強度が低いため、耐荷力を高めるため、床版を厚くする必要かあり、そのため床版の重量が増加。橋梁下部工の補強や橋梁部の路面が高くなることで生じる、段差を擦り付ける工事が必要となる場合があった。

SFRCに対して、UHPFRCは耐荷力が高い上、高い緻密性を有することから、凍結防止剤などによる塩分や水分の侵入が長期的に抑制することが出来る。これまで工場製作の材料として使用されていたが、今回の技術開発により、現場での打設を可能とした。

UHPFRCを使用することで、床版のメンテナンスコストが従来の3分の1程度削減。また、床版を厚くする必要もなく、床版補修に伴い必要となる橋梁下部工の補強や、路面の段差解消工事に要するコストの削減も期待されている。

 現在、同技術は特許出願中。中日本では「橋梁の床版をリニューアルする新たな方法として、現場補修技術の適用に向けた試験工事のための施工方法や施工手順などのマニュアルの整備を進め、早期の実用化を目指す」としている。

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