全国高速道路建設協議会会長 横内正明山梨県知事 平成27年 年頭所感

 平成27年の年頭に当たり、謹んでお慶びを申し上げます。
 全国高速道路建設協議会の諸活動につきましては、常任世話人国会議員の諸先生方をはじめ、47都道府県知事、議会議長、関係市町村の皆様に大所高所から多大なご尽力やご指導を賜り、厚く御礼申し上げます。

 高速自動車国道を核とする高規格幹線道路網1万4000㌔は、安全で安心できる強靭な国土を形成する上で、最優先で取り組むべき重要な社会基盤施設であります。今後、南海トラフ巨大地震、更には首都直下型地震が想定される中、国民の安全、安心を守っていくためにも、未整備事業化区間の整備に着手し、高規格幹線道路網を早期に完成させることが喫緊の課題であり、国の責務であります。

 しかし、高規格幹線道路網の整備状況を見ると、計画の閣議決定から26年が経過しているにもかかわらず、供用率は未だ7割台にとどまり、多くのミッシングリンク区間を抱えているのが実情です。

 特に地方部におきましては、整備の遅れは地域の防災・減災に大きな支障を来たすだけでなく、国際競争力の低下や、過疎化問題などの地域間格差を拡大させる一因ともなっています。地方の成長を促し、人口減少を克服するためには、高速道路をはじめインフラ整備の遅れている地方のハンディキャップを無くすことが不可欠であり、早期にミッシングリンクを解消することが求められています。

 更には、高速道路の使命とも言える高速性、安全性、定時性の向上からも暫定2車線区間などの交通隘路区間や、中央自動車道、東名高速道路などの大都市周辺における恒常的な渋滞区間の解消も急がなければなりません。

 加えて、スマートICは既存ネットワークを賢く使う施策の実現のためにも、整備を急がなければなりません。その整備費につきましては、利便増進に変わる新たな補助制度の中長期的な予算を確実に確保していくことが必要になります。

 大変痛ましい事故となった平成24年12月の中央自動車道・笹子トンネルの天井板崩落事故を契機に、高度経済成長時代に建設された高速道路の老朽化が社会問題になっています。本協議会としましては、戦略的な維持管理・更新への取組の推進を政府へ強く要望して参りましたが、昨年の通常国会において、老朽化が顕著な高速道路の大規模更新・修繕費に充てるため、現行の償還期間を最大15年延長する改正道路法が可決、成立しました。今後、国の強力なリーダーシップのもと、高速道路の維持管理・更新が確実に進められるよう、期待するものであります。

 地方の総意であります高規格幹線道路網の早期完成や老朽化対策の推進、スマートIC整備等のため、所要財源の確保は不可欠であり、全高速としましては今後も政府に対して引き続き、会員であります全国46期成同盟会の皆様とともに、強く訴えて参る所存です。

 関係各位の今後一層のご指導、ご支援をお願い申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

全国高速道路建設協議会 会長 横内 正明山梨県知事

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