内閣府・道路世論調査 整備、維持修繕の受益者負担67.5%理解 老朽化では予防的補修求める

内閣府は10月15日、道路に関する世論調査結果を公表した。高速道路関係では、今後の維持修繕、更新の費用については通行料金のみでまかなうべきと回答したのは全体の16・5%で、4割強の人が「ある程度、税金でまかなうこともやむを得ない」と回答した。調査対象は、日本国籍を有する18歳以上の男女3千人。調査結果のうち、財源、高速道料金、老朽化で得られた回答を紹介する。

(1)道路整備等の費用を車利用者が負担することに対する意識

今後の中長期的な道路整備や維持修繕、更新のための費用は、車を利用する人の受益者が負担するという考え方について、どのように考えるか聞いたところ、「適切である」と答えた人が13・5%、「やむを得ない」と答えた者が54・0%、「不適切である」と答えた人の割合が26・8%で、「適切」「やむを得ない」合わせた肯定的な意見は67・5%となった。

(2)車が一定地域に入る場合等に料金を支払う制度に対する意識

欧州などにおいて、混雑緩和や道路の維持修繕、更新の財源確保のため、車が一定の地域に入る場合に料金を支払う制度などが導入された地域があるが、こうした制度をどう考えるか聞いたところ、「適切である」13・6%、「どちらかといえば適切である」36・1%を合わせた49・8%が理解を示した。

高速道路の料金

(1)高速道路の維持修繕、更新のための費用のあり方

高速道路の維持修繕、更新のための費用のあり方について、どのように考えるか聞いたところ、「全額税金でまかなっていくべきだと思う」と答えた人の割合が6・3%、「税金でまかなっていくべきだと思うが、ある程度は高速道路の通行料金でまかなうこともやむを得ない」が32・2%、「高速道路の通行料金でまかなっていくべきだと思うが、ある程度は税金でまかなうこともやむを得ないと思う」が41・3%、「税金ではなく、高速道路の通行料金でまかなっていくべきだと思う」が16・5%となっている。

(2)高速道路の料金と渋滞との関係に対する考え方

渋滞と高速道路の通行料金との関係について、どのように考えるか聞いたところ、「さらに渋滞が悪化するとしても、通行料金を現在よりできるだけ引き下げる方がよい」と答えた人の割合が17・6%、「一部区間で渋滞が発生していても、現在の通行料金を維持すべき」が49・1%、「通行料金を現在より引き上げても、渋滞を解消した方がよい」が22・8%となっている。

都市規模別で見ると、「通行料金を現在より引き上げても、渋滞を解消した方がよい」と答えた人の割合は中都市で高くなっている。

老朽化対応 

(1)道路構造物の維持修繕、更新の考え方

高度経済成長期に集中的に整備されてきた橋などの高齢化が今後進んでいくが、これら道路構造物について、どのように維持や修繕、更新を行うべきだと思うか聞いたところ、「補修するよりも積極的に更新を進める」と答えた人の割合が18・7%、「傷みが大きくなってから補修し、必要に応じて更新を進める」が7・8%、「傷みが小さいうちに予防的に補修を進め、できるだけ長持ちさせる」が48・4%、「交通量などを考慮して、優先的に維持修繕を行う橋などの対象を絞って、集約や撤去を進める」が20・8%、「特に補修しない」(利用できなくなる橋などが出てきてもやむを得ない)が1・2%となり、予防保全を求める意見が多かった。

(2)車両の大型化に伴う橋・道路の劣化への対応

車両の大型化が進むことにより、物流の効率化やコストの削減が促進される一方で、重い車両の走行が橋や道路の劣化の主な要因の1つと言われている状況について、どのように考えるか聞いたところ、「重い車両が走行できる道路を限定し、橋や道路への影響を軽減する」と答えた人の割合が35・9%、「重い車両が走行できるよう、費用をかけて頑丈な橋・道路に作り替える」が23・3%、「重い車両が走行できるよう、橋や道路の劣化が発見され次第、その都度費用をかけて補修していく」が31・1%となっている。

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