国交省「道路建設の資材調達あり方検討委員会」開く 老朽化対策など着実に推進

国土交通省は6月26日、東京・霞が関の経済産業省別館で「道路における建設資材調達に関するあり方検討委員会」(委員長=秋葉正一・日本大学生産工学部教授)を開いた。道路の老朽化対策などを着実に推進するため、昨年8月に初会合。11月の第2回会合に続く今回の第3回は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からWEB会議で行われた。

会の冒頭、池田豊人道路局長は新型コロナウイルスによる経済活動への影響に触れ、「全国的に濃淡はあるが、公共事業は動いており、経済を下支えしている。今後も着実に仕事を継続する前提条件となる建設資材の調達について建設的な議論をお願いしたい」と挨拶した。

道路に関する関係団体ヒアリングとして、日本橋梁建設協会(説明者=北村明彦技術調査部長)、プレストレスト・コンクリート建設業協会(大信田秀治運営委員、総務幹事長)、日本アスファルト協会(太田亨代表理事)が出席し、業界を取り巻く状況や供給に関する課題を説明した。

道路投資額や受注実績の減少に伴い、生産能力も抑制へと移行している中で、各者からは「鋼橋の安定的な供給(製作)を行うためには、製作工場の設備の維持、設計・製作技術者の確保や技術の伝承が必要。そのためにも中長期的には安定的な施工量の確保と、短期的には施工量の急激な増減回避が必要」、「オリンピック、NEXCOの大規模更新、北陸新幹線などによりコンクリート部材の鋼製型枠製作が注文から3カ月待ちの状態。支承、伸縮装置についても鋼製型枠と同様に注文が集中すると生産が追い付かない場合がある」、「人々の暮らしや日本の経済を支える道路舗装用原料としてアスファルト合材および舗装用アスファルトの重要性は不変。生産・流通・消費が一体となって、アスファルト供給体制の維持に取り組むべき」といった切実な声が上がった。

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