国土幹線道路部会中間とりまとめ ポストコロナでETC専用化 ”救援する強靭道路”へダブルネット

国土交通省は9月25日、社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会の中間とりまとめ「持続可能な国土幹線道路システムの構築に向けた取組」を発表した。ポストコロナ時代を見据えて加速すべき具体的な取り組みとして、高速道路のETC専用化による料金所のキャッシュレス化、タッチレス化を推進するとし、ETC利用率の高い都市部では5年後のETC専用化を目指すべきとされた。

中間とりまとめでは、料金所のETC専用化により「高速道路以外の各種支払における利用者の利便性が高まる可能性があるほか、戦略的な料金体系の導入が容易になることで混雑緩和など生産性を向上できる可能性がある」と指摘。また、新型コロナウイルス感染症を踏まえ、料金収受員や利用者に対する感染リスクを軽減する観点からも「ETC専用化等による料金所のキャッシュレス化、タッチレス化を強力に推進すべき」と強調された。

更に、ETC利用率の増加による利便性の向上から、物流拠点や観光拠点等へのアクセス向上、既存IC周辺の渋滞緩和につながるスマートICの設置の推進も付記された。

中間とりまとめでは、近年の災害の激甚化・頻発化、利用者ニーズの多様化に対応した、今後のネットワーク機能の確保に向けた取組も盛り込まれた。強靭で信頼性の高いネットワークの構築による安全・安心な社会の実現のため、新たな防災道路ネットワークの考え方を本格導入し、「災害時に“被災する道路”から“救援する道路”へ転換すべき」とされた。

具体的には、高規格幹線道路等と並行する直轄国道を組み合わせたネットワークの緊急点検を行い、ミッシングリンクの解消、暫定2車線区間の4車線化、ダブルネットワーク化等を推進していく。

その際、有料道路については料金徴収期間の延長について検討。地方公共団体からのヒアリングを通じて得られた提案を踏まえ「料金中秋期間までの追加的な料金負担分を限定的に活用する」ことを検討するよう提案された。

また、高速道路の無料区間について、高いサービス水準を維持して適切な維持管理・更新を実施する観点、有料区間の利用者との負担の公平性を確保する観点等から、「地域の意見を聴取した上で、利用交通に与える影響も含めて有料化について検討する必要がある」とされた。

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