新型コロナから回復傾向示す NEXCO3社21年度決算 

料金収入 東日本7416億円、中日本6158億円、西日本6772億円

東日本、中日本、西日本のNEXCO3社は6月10日、2021年度連結決算を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、全般に料金収入で持ち直し傾向を示したことから、中日本、西日本では黒字に転換。それぞれ38億円、79億円の経常利益を計上した。また東日本も14億円の損失だったが、その額は前年度に比べ82億円縮小となった。

■東日本

東日本の21年度高速道路事業の営業収益は前年度比12・7%減の9838億円。このうち料金収入は、前年度に続き新型コロナ禍の影響を受けたものの、持ち直し気配も見られ同3・8%増の7416億円を計上した。

関連事業の営業収益は同25・1%減の555億円。このうち、SA・PA事業は同1・7%増の248億円と、ほぼ横ばいで推移した。

これらに対し営業費用は、高速道路事業が12.・6%減の9871億円、関連事業が27・2%減の570億円。高速道路事業のうち、管理費用は雪氷対策費用が増加したものの、「収益認識会計基準」等の適用によるETCマイレージ費用の減少等で3・1%減の2355億円となった。

結果、純損失14億円を計上した。但し前年度の損失97億円から82億円の大幅な改善。ポストコロナに向け、回復基調が示された。

■中日本

中日本の営業収益は同25・6%増の1兆996億円、営業費用は同24・6%増の1兆980億円で純利益17億円を計上。17年度以来、4年ぶりの増収増益となった。

営業収益の内訳は、高速道路事業1兆382億円(同29・8%増)、関連事業613億円(同18・9%減)。高速道路事業のうち料金収入は同6・9%増の6158億円で、新型コロナの影響を引き続き受けたものの、交通需要の回復等で増収となった。

道路資産完成高は新東名・新御殿場~御殿場間、名二環・名古屋西~飛島間の開通により道路資産の機構引渡額が増加。89・2%増の4214億円だった。

一方、関連事業は国、地方公共団体等の受託工事等のその他事業は減少したものの、SA・PAの休憩事業は交通需要の回復等に伴い店舗総売上高が増加。同12・3%増の236億円を計上した。

■西日本

西日本の営業収益は1兆3296億円で、前年度から42・8%の増収となった。営業費用は同41・1%増の1兆3244億円で経常利益79億円。前年度の65億円の損失から、純利益66億円へと回復した。

営業収益の内訳は高速道路事業が同44・0%増の1兆2952億円、関連事業が同8・2%増の344億円。

高速道路事業のうち、料金収入は同2・4%増の6772億円、道路資産完成高は同61・3%増の6145億円。完成高は徳島南部道・徳島~徳島沖洲間の開通等により大幅増となった。

関連事業では、SA・PAの飲食物販店舗売上高が前年度から12・2%増の641億円と回復傾向を示し、SA・PA事業は同7・1%増、212億円の収益を上げた。

決算表

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