町から村から 20年11月~12月

熊野尾鷲道路Ⅱ期の早期完成 近畿道紀勢線の全線早期完成も

熊野尾鷲道路建設促進期成同盟会(会長=河上敢二熊野市長)

紀伊半島東南部に位置する三重県東紀州地域は、熊野尾鷲道路、紀勢自動車道の開通により、中京圏など各地と高速道路で結ばれ交通の利便性が大きく向上し、観光客の増加、地域医療の変化、輸送時間の短縮、地域特産品の安定供給など経済の好循環が図られ様々なストック効果が現れている。

さらに、近い将来に発生が危惧されている南海トラフ地震など大規模災害発生時のセーフティーネットとしてその重要性が認識されており、津波等の災害で東紀州地域の孤立の可能性が軽減された。

しかしながら、尾鷲市市街地、熊野市市街地、御浜町、紀宝町などでは、唯一の幹線道路である国道42号を通行する以外に迂回路が無い状態である。

18年9月には鬼ヶ城トンネルの木本側坑口の落石のため14時間通行止めとなり、昨年10月においても同トンネル坑口法面において再度落石が発生し、対策工事のため3カ月間以上に及ぶ片側交互通行規制が行われ、長期にわたり交通・物流ともに大きな影響を受けた。

したがって、この地域の孤立を防ぐために、リダンダンシーとなる高基幹道路の整備が不可欠であり、医療施設等への広域的なアクセス確保など救急医療体制の整備のほか安全・安心な生活を送るうえで生命線道路として早期整備が喫緊の課題となっている。

また、新型コロナウイルス感染症によって地域の観光や農林水産業等は深刻な影響を受けており、地域経済の早期回復を図るため、公共事業による景気の下支えが不可欠な状況であり、国土強靱化、経済の活性化などに直結する社会資本整備を推進することが強く求められている。

以上により、地域に必要な道路事業予算を確保し、紀伊半島を一周する高速道路の早期全線開通、新型コロナウイルスからの地域経済の早期回復に向け、次の事項について強く要望する。

1 「熊野尾鷲道路Ⅱ期」について、21年夏頃の開通に向け、着実に整備を推進すること

2 「一般国道42号熊野道路」、「一般国道42号新宮紀宝道路」について、早期に完成すること

3 19年度に新規事業化された「紀宝熊野道路」について、早期に工事着手すること

4 4車線化の事業許可がなされた「大宮大台~紀勢大内山の一部区間」を早期に工事着手するとともに、優先整備区間である「勢和多気~紀勢大内山の残る区間」について、早期事業化を図ること

5 南海トラフ地震など大規模災害が想定されている地域の安全・安心を確保するとともに、地域の観光・産業などのストック効果を高め、経済の好循環が得られるよう平常時・災害時を問わず機能する広域ネットワーク(紀伊半島一周道路)の整備を確実に進めること

6 新型コロナウイルス感染症の収束後、物流・観光などの早期回復に資するため、必要かつ十分な道路整備などを機動的に実施し、国土強靱化・経済の活性化を図ること

7 国土強靱化地域計画を計画的に実施するため、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策につづき、次の事業も含めた5か年間の計画の策定及び必要な予算を別枠で確保すること

・平時・災害時に安定的な人流・物流の確保に向けた高速道路の4車線化等やダブルネットワークの構築

・予防保全への転換に向けた老朽化対策

8 頻発する大規模自然災害の脅威・危機に即応するため地方自治体などを支援する地方出先機関の体制の充実・強化を図ること

9 地域の道路ネットワーク確保のため、骨格となる高規格幹線道路の整備と併せ、予防保全を含む道路の老朽化対策及び緊急安全点検結果を踏まえた交通安全対策に必要な維持管理及び更新を計画的かつ確実に推進するため、必要な予算を確保すること

10 地方が真に必要とする道路整備・管理を長期安定的に推進するため、新たな財源を創設するとともに、21年度道路関係予算の所要額を確保すること

2020年11月


四国西南地域の活力強化へ 安全安心確保に必要な道路整備を

四国西南地域道路整備促進協議会(会長=清水雅文愛南町長)

四国西南地域の道路整備につきまして、平素から格別のご高配を賜り、深く感謝申し上げます。

また、四国横断自動車道の中村宿毛道路を、今年7月に全線開通していただき、厚くお礼を申し上げます。

さて、四国の西南端に位置し、高知県幡多圏域と愛媛県宇和島圏域で構成される四国西南地域は、地理的、地形的要因により、高速道路を始めとする道路整備が遅れ、産業や経済面で立ち遅れを余儀なくされておいる。

このような中、熊本地震や四国でも猛威を振るった平成30年7月豪雨、令和2年7月豪雨など、近年、全国各地で大規模な自然災害が頻発している。とりわけ四国西南地域においては、発生確率が益々高まっている南海トラフ地震の発生により、高知県黒潮町から愛媛県愛南町においては、最大34㍍から17㍍の大津波が予想され、地盤沈下を伴った長期浸水により、唯一の幹線道路である国道56号の寸断が懸念されている。特に空港が遠い四国西南地域において、災害発生直後からの迅速かつ円滑な支援部隊の進出に必要な緊急輸送ルートを確保するためには、愛南町で計画中の防災機能や地域交流機能を併せ持った防災休憩施設や、海上輸送拠点となる宿毛湾港や防災拠点の整備などと連携した、地域住民の「命の道」として信頼性の高い高速道路ネットワークの構築が急務となっている。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済を取り巻く環境は急激に悪化しており、地域経済を下支えし、感染症収束後における物流・観光等の経済活動を復興するためには、国内への産業回帰や分散型社会を推進する道路整備が必要であると、改めて認識されているところである。

四国横断自動車道の津島道路、窪川佐賀道路、佐賀大方道路、大方四万十道路の早期整備が図られるとともに、未事業化区間である「宿毛~内海」が整備されることで、循環型ネットワークが形成される。これにより、養殖マダイ等の販路が拡大するなど、基幹産業のさらなる発展が期待できる。また、高速道路ネットワークの整備と相まった、幡多圏域の大きな観光資源である「最後の清流・四万十川」など、地域の豊かな自然を活かした観光客の受入体制の強化や、温暖な気候を活かした各種スポーツ大会・合宿を誘致する施設整備等の取り組みにより、交流人口の拡大が望める。

ついては、南海トラフ地震等の自然災害への備えとして地域防災力を強化し、地域経済の活性化を図っていくためには、四国西南地域の早期の道路整備が不可欠であることから、ここに次の事項を強く要望する。

    記

1.地域産業の育成・強化、防災・安全安心のための地域力強化の基盤となる¬四国8の字ネットワーク」を早期に整備すること。

・早期事業化に向けて¬宿毛~内海」の都市計画・環境アセスメントを進めるための調査の早期完了

・津島道路、窪川佐賀道路、佐賀大方道路、大方四万十道路の早期開通に向けた整備推進

2.地域の生活を支え、生活の根幹となる道路整備を促進すること。

愛南町増田地区では、国道56号¬増田視距改良事業」による、安全性と走行性の早期向上に向け、整備推進を図ること。

宇和島市和霊地区と、大月町弘見地区では、国道56号と321号における歩行者等の安全、安心な通行を確保するため、歩道の早期完成に向け、整備推進を図ること。

松野町蕨生地区では、国道381号における、県境を越えた信頼性の高い交通ネットワークの確保のため、一部残っている離合困難な狭小区間の道路整備をより一層促進すること。

鬼北町から四万十市では、国道441号は、乗用車すらすれ違えない区間が多く残り、安全・安心な市民生活が確保されていないため、道路整備をより一層促進すること。

3.南海トラフ地震等の大規模災害に備え、地域の安全・安心を確保するため、また、ポストコロナ時代の¬新たな日常」を構築し、四国西南地域の豊かな自然を活かした産業や観光の振興等を図るため、高速道路ネットワークの着実な整備の推進はもとより、長期安定的に道路整備・管理を進められるよう、新たな財源を創設するとともに、21年度道路関係予算は要求額を満額確保のうえ、地域経済の下支え効果が確実な公共事業を含む補正予算を早期に編成すること。

2020年12月

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