町から村から(7月)

新型コロナ対応のため、全高速の第57回総会は書面で開催された。その後休みなく展開されている各地区の要望活動の取組みを紹介する。

早期4車線化が不可欠 アクアライン割引の予算確保も

【東関東自動車道館山線建設促進期成同盟会】

千葉県は、成田国際空港をはじめ、幕張新都心、かずさアカデミアパークなどの国際交流拠点や研究開発拠点を有し、臨海部の産業集積、賑わう商業施設、豊富な農林水産資源や観光資源などにあふれている。

これらの本県が持つポテンシャルを最大限に活用し、ポストコロナ時代の「新たな日常」を実現するとともに、地方創成及び国土強靱化を推進し、千葉の未来を切り開くためにも、災害に強い広域的な高速道路ネットワークの整備が極めて重要かつ急務となっている。

特に東京湾沿岸部と南房総地域を結ぶ東関東自動車道館山線は、東京湾アクアライン、首都圏中央連絡自動車道と一体となり、本県における農林水産業などの生産性の向上や、観光振興など地域の活性化に資する極めて重要な道路である。

また、観光面のみならず、大規模災害時における広域的な応急対策や復旧活動を迅速に実施するため、非常事態に対応した交通の確保を図る緊急輸送道路としての役割も担っている。

館山線は、「アクアライン割引」ETC普通車800円の効果と相まって、開通当初(7年)に比べ交通量が4割増加し、「人」、「モノ」の流れが活発化したことで、君津・安房地域の観光入込客数は1・6倍となるなど、館山線のストック効果による地域経済の好循環も生まれている。

20年3月には、富津中央インターチェンジから富津竹岡インターチェンジ間が4車線化され、安全性の向上や交通の円滑化が図られたところであり、事業推進にご尽力いただき厚く御礼申し上げる。

一方、富津館山道路では、対面交通の2車線であるため、観光シーズンや休日等において渋滞が発生しているとともに、工事や事故等による通行止め等も数多く生じていることから、観光振興や防災力の向上のためにも、早期の4車線化が必要不可欠である。

さらに、ネットワークの代替性確保の観点から、館山線の富浦から館山までの計画の具体化を図ることが必要である。

また、富津館山道路に接続する国道127号の暫定2車線である館富トンネルを含む約1㌔区間は、国道127号防災事業として20年度から4車線化に着手されたところであり、引き続き、早期整備を図ることも必要である。

ついては、南房総地域の道路整備の推進に必要な予算を安定的に確保し、次の事項の実現について、引き続き特段の御高配を賜るよう要望する。

1、東関東自動車道館山線の一部を構成する富津館山道路について、早期に4車線化を図ること。

1、東関東自動車道館山線の富浦から館山までについては、計画の具体化を図ること。

1、富津館山道路の終点部である冨浦インターチェンジから館山市内までの国道127号の館富トンネルを含む延長約1㌔区間の4車線化については、早期に整備を図ること。

1、「アクアライン割引」の継続と、必要な予算を確保すること。

1、防災・減災、国土強靱化のための5カ年加速化対策に必要な予算・財源の確保と計画的な事業の推進を図ること。

1、予防保全を含む道路の老朽化対策に必要な予算の別枠を確保すること。

1、長期安定的に道路整備・管理を推進するため、新たな財源を創設するとともに、道路予算全体を増額し、必要な予算を確保すること。

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予算所要額の満額確保を 早期完成に向け整備促進急げ

【能越自動車道建設促進期成同盟会】

能越自動車道(輪島市から小矢部砺波ジャンクション間約117㌔)は、高規格道路網の一部として、石川県能登地域・富山県西部地域と三大都市圏との交流を促進するとともに、沿線各地の開発プロジェクトを大きく推進し、加えて広域観光ルートの形成、緊急時・災害時のネットワークの形成など、ポストコロナを見据えた社会経済の構造転換、経済成長の好循環の実現と安心安全な生活環境の整備に大きく寄与するものである。

能越自動車道の建設事業については、88年度依頼、石川・富山両県内において順次事業化及び供用が開始されており、国土交通省をはじめ石川・富山の両県、並びに関係各位のご尽力により、着実に前進しているところである。

しかしながら、供用の待たれる区間も残されており、今後、当自動車道の効果を最大限に引き出し、さらに活力のある地域社会を実現するため、全線開通に向けた一層の整備促進が不可欠である。

よってここに本同盟会は、沿線住民の長年にわたる悲願に応え、能越自動車道全線の整備促進・早期完成を図るため、次のことを強く要望する。一、長期・安定的に道路整備・修繕を進められるよう、新たな財源を創設するとともに、22年度道路関係予算は所要額を満額確保すること。

一、新型コロナウイルス感染症により、落ち込んでいる地域経済の下支え効果が確実な21年度道路関係予算の早期執行及び追加措置を行うこと。

一、能越自動車道の全線開通に向けて整備促進するとともに、高岡IC以北の暫定2車線区間における4車線化に早期事業着手すること。

一、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を着実に実施する等、国土強靱化地域計画を進めるために、年度当初による予算措置と必要な予算を確保すること。

一、平常時・災害時を問わず、安定的かつ安全・円滑に利用可能な道路網の確保に向け、新たな広域道路交通計画の早期策定、重要物流道路の更なる指定及び指定区間の重点整備を図ること。

以上、決議する。

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地域再生・振興に不可欠 5か年加速化対策へ別枠予算も

【南九州西回り自動車道建設促進協議会】

八代市から水俣市・出水市・阿久根市・薩摩川内市などを経て鹿児島市に至る本自動車道の沿線地域は、地理的、地形的な制約から地域の発展に必要な社会基盤の整備が大きく立ち遅れている。特に地域の生活や産業活動を支える本自動車道をはじめとする道路網の整備が大きな課題となっている。

水俣市を中心とした沿線地域では、水俣病問題を抱えており、1997年6月の「水俣病に関する関係閣僚会議申し合わせ」においても、同地域の再生・振興に向けて、本自動車道の整備促進を図るとされている。

本自動車道は、九州電力川内原子力発電所に近接しており、万が一の原子力災害発生時における周辺地域住民の迅速な広域避難に大きな役割を担う重要な道路でもある。また、16年の熊本地震では、熊本都市圏や阿蘇地方への救援物資輸送路として、20年7月豪雨では、通行不能となった国道3号の代替路として、大きな役割を果たした。

さらに、コロナ禍にあっても、細心の注意を払って道路整備を継続していることによって、地域経済・雇用が支えられている。

ついては、沿線地域の民間投資の誘発や生産性の向上など、力強く持続的な経済成長の実現及び豊かな暮らしの礎となる地域づくりを進める上で南九州西回り自動車道の整備は必要不可欠であり、また、コロナ禍からの回復局面においても地域経済を下支えするものであることから、次の事項について特段の御高配を賜りたい。

1、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」による強靱なネットワーク整備の加速化・深化を図るため、また、ポストコロナ時代の「新たな日常」に対応するため、増大する老朽化対策費用を含めた道路整備に必要な予算は、通常予算とは別枠で確保し、当初予算で措置すること。さらに、着実に事業を実施するための予算を長期安定的に確保すること。

1、22年度予算においては、高速道路網の整備を推進するための所要額を満額確保すること。

1、平常時・災害時を問わず地域の安全・安心を確保し、産業・観光の振興による地域経済の活性化を図るため、また、災害時の避難・支援路を確保するため、南九州西回り自動車道のミッシングリンクを早期に解消し、ダブルネットワークを構築するよう、予算の重点配分を行うこと。

1、芦北出水道路(水俣IC~出水IC間)の供用予定年次の明示及び早期完成を図ること。

1、阿久根川内道路の全区間において用地取得や工事に着手するなど、更なる整備推進を図ること。

1、暫定2車線区間における4車線化の優先整備区間である美山IC~伊集院IC間の事業中区間の整備促進及び残る優先整備区間並びに八代南IC~日奈久IC間の早期事業化を図ること。

1、災害に強い高規格道路ネットワークを構築するため、また、激甚化・頻発化する大規模自然災害の脅威・危機に即応するため、引き続き、地方整備局等の体制の充実・強化を図ること。

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