町から村から(8月)

新型コロナ対応のため、全高速の第57回総会は書面で開催された。その後休みなく展開されている各地区の要望活動の取組みを紹介する。

四国横断道 ストック効果発揮のために 宿毛~内海間早期事業化を

【国道56号一本松・宇和島間整備促進協議会】

熊本地震や四国でも猛威を振るった平成30年7月豪雨、令和2年7月豪雨など全国各地で大規模な自然災害が発生している。とりわけ、発生確率が益々高まっている南海トラフ地震では、愛南町において最大17㍍の大津波が発生すると予想されており、地盤沈下を伴った長期浸水により、唯一の幹線道路である国道56号の寸断が懸念されている。空港から遠く、鉄道がない愛南町においては、災害発生直後からの迅速かつ円滑な支援部隊の進出のための緊急輸送ルートを確保することが必要不可欠であり、愛南町が整備する防災機能と地域交流機能を併せ持った防災休憩施設の整備と連携した、信頼性の高い高規格道路ネットワークの構築が急務となっている。

このような中、四国横断自動車道の「宿毛~内海」では、都市計画決定手続きが進められており、新規事業化に対する地元の期待は一層高まっている。この区間が早期に事業化され開通すれば、国道56号とのダブルネットワークが構築されるほか、「中村宿毛道路」や現在、整備が進められている「津島道路」とつながり、高規格道路ネットワークが形成される。これにより、大規模災害時の迅速かつ円滑な救援活動や緊急物資の輸送が可能となるほか、養殖マダイをはじめとする農林水産物の販路拡大など、基幹産業の更なる発展が期待できる。さらに、圏域内の周遊性が格段に向上することにより、地域の豊かな自然や歴史的資源を活かした観光客の受入体制の強化や、温暖な気候を活かした各種スポーツ大会・合宿誘致などの取組も可能となり、交流人口の拡大も期待できる。

ついては、南海トラフ地震等の自然災害への備えとして地域防災力を強化し、地域経済の活性化を図っていくためには、宇和島圏域の早期の道路整備が不可欠であることから、ここに次の事項を強く要望する。

1、ポストコロナ時代の「新たな日常」を支えるとともに、地方創生及び国土強靭化を推進し、ストック効果を早期に発揮させるため、四国横断自動車道「宿毛~内海」について、早期事業化を図ること。

2、津島道路「内海IC(仮称)~津島岩松IC」については、1日も早い開通に向けた整備推進を図ること。

3、宇和島市和霊地区及び寄松地区では、歩行者等の安全、安心な通行を確保するため、「国道56号和霊歩道整備事業」及び「国道56号寄松歩道整備事業」の早期完成に向け整備推進を図ること。

4、宇和島市津島町嵐地区では、安全性と走行性を向上させるため、「国道56号嵐視距改良事業」の早期完成に向け整備推進を図ること。

5、宇和島の豊かな自然を活かした産業や観光の振興を図り、地域の安全・安心を確保するため、高規格道路の整備はもとより、その効果を地域の隅々まで波及させる道路の整備を推進するため、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に必要な道路予算の所要額を確保した上で、必要となる予算の配分について配慮すること。

6、頻発化する大規模自然災害の脅威・危機に即応するための地方整備局の体制の充実・強化を図ること。

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