道路公団民営化から10年 成果と課題を検証 太田大臣「防災・減災に万全を」連絡会議で10年の取組みを評価

[caption id="attachment_2487" align="alignleft" width="300" caption="民営化10年を総括する太田国交相(中央)"][/caption]

国土交通省は9月29日、道路関係4公団の民営化から10月1日で10年となるのを前に、日本高速道路保有・債務返済機構や東日本、中日本、西日本のNEXCO3社など高速道路各社との連絡会議を開いた。

会議には太田昭宏大臣、青木一彦政務官が出席。冒頭、太田国交相は「民営化に当たっては債務の着実な返済と国民負担の少ない整備の実現、サービス向上が課題として上げられていた。民営化から10年の現在、有利子債務が40兆円から29兆円に減少し、整備についても7400億円のコスト縮減が図られ、平均4カ月の前倒し開通も実現。サービス向上ではSA店舗の多様化が見られ、売上げも伸びている」と民営化の成果を総括した。

加えて「この10年の間には東日本大震災と、中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故という痛ましい事故が発生した」として、老朽化対策等に対応した維持更新事業の不断の取り組みの重要性を強調。

その上で、太田国交相は高速各社に対し①防災・減災・老朽化対策の着実な取り組み②高速道路が民間投資を誘発する効果を最大限引き出す③ガバナンスの強化――について要請した。

青木政務官は「老朽化問題に対応するため道路法改正により償還期間を15年延長した。世界一の安全・安心を目指していただきたい」と、高速各社の一層の奮起を促した。

意見交換では、勢山廣直機構理事長が「リスク管理のため、可能な限り長期債券の発行を行うなど、市場環境に対応した資金調達に努める」、廣瀨博東日本社長は「スマート・メンテナンス・ハイウェイにより効率的な維持補修を行う」、宮池克人中日本社長は「安全啓発室を設け、全社挙げて取り組む」、石塚由成西日本社長は「SA・PAの満足施設への転換を進め、地域振興に貢献する」等と、それぞれの取り組み状況を報告。

民営化10年を検証した業務点検検討会の根本敏則座長(一橋大大学院教授)は、今後さらに深刻化する老朽化問題に対応するため「真剣に永久有料化に舵を切るべき時期に来た」と問題提起。今後の課題とした。

最後に、まとめで太田国交相が「高速道路は我が国経済の大動脈。整備が進み、ストック効果が顕著に見られる状況になった。地方へ行けば4車線化を求める声を多くいただく」と発言。「リダンダンシーの大事さとともに、老朽化、メンテナンスという新たな課題が加わった。各社では人手不足という問題にも直面している」と述べ、各社の労をねぎらうとともに、新時代に向けた取り組みの推進を求めた。

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