防災・減災・国土強靭化 ~激甚化・頻発かする災害への対応(「骨太方針2020」抜粋)

17日、閣議決定した「経済財政運営と骨太方針2020について」では、防災・減災、国土強靭化について今後、中長期的視点に立った施策の拡充、強化の必要性に言及された。方針の中で示された「防災・減災、国土強靱化~激甚化・頻発化する災害への対応」を紹介する。

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激甚化・頻発化する水災害、切迫化する大規模地震災害、いつ起こるか分からない火山災害から国民の命と暮らしを守ることは国の重大な責務である。このため、防災・減災、国土強靱化について、デジタル化・スマート化を図りつつ、国・地方自治体をはじめ関係者が一致団結し総力を挙げ、ハード・ソフト一体の取組を強力に推進する。

デジタル技術を活用した危機管理、事前復興も踏まえた復旧・復興等の迅速化や防災専門家の育成等により地域防災力の向上を図り、防災に対する国民の意識・行動変革につなげる。昨年の台風災害や20年7月豪雨も教訓に、長期停電や通信障害などを防ぐ無電柱化をはじめとした電気・水道等のインフラ・ライフラインや道路・鉄道ネットワークの耐災害性強化、大規模広域避難・要配慮者避難や中小河川も含めた浸水リスク情報の充実、学校等の防災機能強化など避難対策の強化、森林整備・治山対策、インフラ老朽化対策等を加速するとともに、気候変動による降雨量増大や海面上昇等を踏まえた水害・土砂災害対策や高潮・高波対策として、防災気象情報の高度化、堤防・ダム・砂防堰堤(えんてい)・ため池の整備、利水ダムを含む既存ダムの洪水調節機能の強化、自然の持つ機能の活用、浸水被害防止対策、住まい方の工夫など、あらゆる関係者による流域全体での対策を実施する。TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)等防災の体制・機能の拡充・強化を図る。

20年度までの「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を集中的に実施するとともに、その実施状況を踏まえ、国土強靱化の取組の加速化・深化を図る。3か年緊急対策後も中長期的視点に立って具体的KPI(数値)目標を掲げ計画的に取り組むため、国土強靱化基本計画に基づき、必要・十分な予算を確保し、オールジャパンで対策を進め、国家百年の大計として、災害に屈しない国土づくりを進める。緊急防災・減災事業債等についても、地方自治体の取組状況等を踏まえ、適切に検討を行う。

感染症・熱中症対策など避難所等の地域的特性に応じた環境改善を進める。感染症や災害対応に係る公衆衛生や医療体制の強化、消防防災力の充実に加え、病院船の活用の可能性等について、関係府省庁が協力し、調査・検討を行う。燃料供給拠点の地域コミュニティインフラとしての機能強化等に取り組む。任期制自衛官の退職時の進学支援を含め、様々な事態に対する自衛隊の即応性・強靱化と対処能力の向上を図る

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