静岡県内スマートIC整備効果まとまる 県協議会、NEXCO中日本 県全体で約4万台/日利用

静岡県スマートIC協議会とNEXCO中日本東京支社は10日、静岡県内スマートIC整備における効果をまとめ、発表した。県内のスマートICは07年に初めて設置され、現在までに12カ所が開通、東名高速道路の駒門、新東名高速道路の小山、新磐田の計3カ所が事業中となっている。

県内スマートICの利用交通量は、設置直後に比べ約2倍に伸長。高速道路が利用しやすく、より身近な存在となったことから、県全体の利用交通量は約4万台/日に上った。

スマートICの開通により県内のIC間距離は、開通前の平均約14㌔から、20年度末には約9㌔に短縮し、更に利便性が向上。これにより、高速道路ICに10分以内でアクセスできる人口が、開通前と比較して約22万人増加した。

IC10分圏の事業者数も約1万事業所増加。高速道路へのアクセスが向上することで、企業活動の活性化を誘引する事例も多数報告された。

12年4月に開通した浜松SAスマートIC周辺で見ると、近くに分譲される第三都田地区工場用地では、開通後順調に分譲が進み、19年7月現在で分譲面積の約88・3%が売却済みとなっている。また周辺地区では、18年に大手自動車メーカー等の工場が集積。優秀なサプライチェーンに適した立地から今後も企業進出が見込まれている。

浜松市北区では、製造品出荷額が増加。浜松SAスマートICの開通前、3000億円強だった出荷額が16年には3割以上も伸びて4154億円に。これと連動する形で土地の資産価値も上がり、工場用地では公示地価が約2割増加した。

スマートICが整備されたことで高速道路と主要観光地のアクセスが向上。観光入込客数が増加した施設も多く、観光産業の振興にも貢献している。

湯ノ島温泉浴場では、12年の静岡SAスマートIC開通後、利用者数が約2割増えたほか、はままつフラワーパークでは浜松SAスマートIC開通後、入園者が約6割増加。今年3月には舘山寺スマートICが開通し、更なる増加が期待されている。

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