10日に社整審・道路分科会事業評価部会開催 新規事業15箇所 高規格7箇所採択

社会資本整備審議会の道路分科会事業評価部会(部会長=石田東生筑波大システム情報系社会工学域教授)が10日、国交省内で行われ、16年度予算に向けた道路事業の新規事業採択時評価を実施。新規事業候補箇所に上げられた高規格幹線道路7箇所、一般国道の拡幅・バイパス8箇所を審議し、いずれも整備は「妥当」と判断。16年度予算の可決後、速やかに事業実施すべく、諸手続きを進めていくことを了承した。

部会の冒頭、森昌文道路局長が「ストック効果を見定め、事業効果を高めていく取り組みを進めている。生産性革命に資するネットワーク構築に向け、ご審議願いたい」と挨拶。死亡事故が多発する暫定2車線区間の対応についても部会での検討を要請した。

新規事業候補箇所については、主要都市間の速達性や大規模災害に対する脆弱性、並行する現道の課題、地域の抱える課題等を考慮した上で、事業実施環境が整っている箇所を選定。1~3日に当該区間の都道府県知事等へ意見照会を行い、2~9日にかけての各地方小委員会を経て、今回の事業評価部会での審議となった。

採択時評価の費用便益分析では、従来の事業化区間に加え、事業化区間を含むネットワーク効果を見るため、今回より「JCT間での分析結果」も評価。JCT間の評価にあたっては、供用済、事業中、その他のルートや構造が確定している区間を対象に費用便益比等を算定した。

選定された区間は2面別表の通り。高規格幹線道路は北海道横断自動車道・倶知安余市道路(倶知安~共和)、帯広・広尾自動車道・大樹広尾道路(忠類大樹~豊似)、能越自動車道・田鶴浜七尾道路、北近畿豊岡自動車道・豊岡道路、山陰自動車道・福光・浅利道路、同・俵山・豊田道路、東九州自動車道・日南・志布志道路の7箇所。このうち、日南・志布志道路は日南区間3・2㌔、志布志区間3・7㌔の2区間合わせて6・9㌔の採択となった。

結果、高規格幹線道路の新規総延長は59・3㌔、総事業費は1930億円。それぞれ前年度比58・5%増、24・9%増と順調な伸びを示した。

このほか、安倍首相から指示があった常磐自動車道の暫定2車線区間、いわき中央~岩沼間(延長128㌔)の4車線化について審議。山元IC~岩沼IC間(13・7㌔)、いわき中央IC~広野IC間(26・6㌔)の4車線化に着手することを了承した。「復興・創生期間内の概ね5年で完成を目指すこととし、直ちに事業に着手する」ことが報告された。

残りの区間については、付加車線の設置も含め検討していくこととしている。

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