10県知事会議 国交省・自民党へWEB要望を実施

[caption id="attachment_11400" align="alignleft" width="300"] WEB要望を行う平井鳥取県知事[/caption]

「高速道路のミッシングリンクを解消し日本の再生を実現する10県知事会議」は7月20日、国土交通省、自由民主党へのWEB要望を実施。近年頻発化する大規模災害の備えに不可欠な国土強靱化に向け、ミッシングリンク解消による高速道路の早期ネットワーク化、道路予算の確保等を求めた。

10県知事会議は山形、福井、和歌山、鳥取、島根、山口、徳島、愛媛、高知、宮崎の10県で構成。今回のWEB要望では吉村美栄子山形県知事、平井伸治鳥取県知事、河野俊嗣宮崎県知事が参加し、鳩山二郎国土交通大臣政務官、野田聖子自民党幹事長代行に対し、要望書「高速道路のミッシングリンクを解消し日本の再生を実現するために」を説明、要望した。

平井鳥取県知事は、近年多発、激甚化する自然災害に加え、南海トラフ地震が危惧される中、「リダンダンシーを確保する観点からもミッシングリンクの解消は喫緊の課題」と指摘。「国土強靱化を進めるため、更には新型コロナで疲弊した地域経済を回復させていくためにも、未事業化区間の計画段階評価等を速やかに実施するなどして、ミッシングリンクの早期解消をお願いしたい」と要望した。

続いて、吉村山形県知事が地域事情を例にとりながら、救急搬送時間の短縮や安定走行による患者の負担軽減、専門病院がない地域へ長距離移動している妊婦や医療的ケア児の家族及び医師不足地域へ長距離通勤している派遣医師の負担軽減など「地方における医療の課題解決には高速道路整備が必要不可欠」と訴えた。

河野宮崎県知事は、高速道路が延伸されることで企業立地が進む現状を示し「整備が進むことにより企業進出が促進され、雇用の増加につながる」と指摘。「防災・減災、国土強靱化、その財源確保に向けてもしっかり取り組む」として、10県知事会議要望に理解を求めた。

これに対し、鳩山政務官は「ミッシングリンクが解消されれば助かる命を助けることが出来て、災害時にもリダンダンシーを確保することが出来る」と応じ、野田幹事長代行も「ミッシングリンク解消は共通認識。ポストコロナも踏まえ、観光が地方の芽となる。早期整備、4車線化にしっかり取り組む」と語った。

【要望項目】

一、発生が危惧されている大規模災害に備え国土強靱化を進めるため、ミッシングリンクの早期解消を図り、高速道路ネットワークの早期形成を図ること。
一、新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた観光などの地方経済を早期に回復させるため、また、多核連携型の国づくりを推進するためには、ミッシングリンクの解消は必要不可欠であり、未事業化区間の計画段階評価などの速やかな実施と早期事業化を図ること。
一、ミッシングリンクの解消が計画的かつ着実に進められるよう、令和4年度道路関係予算、及び「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に必要な予算を確保するとともに、長期安定的に道路整備・管理が進められるよう新たな財源を創設すること。
一、高速道路が本来有するべき安全性・定時性の確保とともに、大規模災害時などに対する防災上の観点からも、「高速道路における安全・安心基本計画」において4車線化の優先整備箇所として位置付けられた区間の早期整備を図ること。

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