2011年6月 全高速トピックスバックナンバー

石川嘉延全高速前会長旭日大綬章を受章2011年06月25日

「静岡県という存在そのものが、立派な勲章の授与につながっていると感じる。郷土に感謝したい気持ちでいっぱい」-。地方自治の発展や防災対策などで功績が認められた石川嘉延前静岡県知事(70)は、旭日大綬章受章の喜びを語った。退任から約2年たった現在も、地方分権推進への情熱を持ち続け、次代を担う人材の育成にも意欲を見せる。

自治省(現総務省)から1993年8月静岡県知事に。2009年6月まで16年近く務めた。また、全国高速道路建設協議会会長として、2003年7月~2009年6月まで6年近く在任。この間、全国に先駆けて地方分権の在り方を研究し、数多くの提言が国の施策に反映された。人口は全国10位、あらゆる分野の指標で全国上位を占める静岡県。「その存在がバックになり、全国的な連携の中で主導的な立場で発言、活動できた」と振り返る。

地方自治の今後については「都道府県の改革が必要」と指摘。「国の内政の役割、行政機構の在り方も併せて俎上(そじょう)に載せて新しい制度をつくることになる。その大仕事に取り組み、早く実現しなければならない段階に来ている」とみる。

さらに「道州制に一気に移行するより、都道府県合併で数を半分くらいに減らし、国の地方出先機関の仕事のほとんどを中心に権限、財源、職員の移管も含めて移譲するのが現実的、かつ現段階で求められる内政機構の在り方」と持論を展開。「いろいろな機会に発言や賛同者を獲得する活動をしていきたい」と語る。

現在は、日本大学国際関係学部客員教授として「地方自治制度とその運用」の講義を担当する。今後は「これから日本を担う中堅・中枢になっていく世代の稽古相手として、歯ごたえのある老人になりたい」。「まだ小規模」ながら若い人と議論する場を設け、人材育成の活動も始めている。

全線4車線化、一刻も早く-岐阜県東海北陸道建設連絡協議会総会2011年06月25日

岐阜県東海北陸自動車道建設連絡協議会(会長=古田肇岐阜県知事)は3日、岐阜県庁内にて平成23年度定期総会を開催。

古田知事は、「路線の6割ほどが暫定2車線という状況を一刻も早く4車線化にして、日本海と太平洋を繋ぐ大動脈にふさわしい形にしていきたい」と述べ、5月19日に高速道路のあり方検討有識者委員会で、観光交流、企業立地、防災などの色々な角度から岐阜県にとって高速道路のネットワークがいかに大切か、高速道路の整備手法と地方財政などについて訴えたことを報告。

その後、27日に行われた社会資本整備審議会道路分科会で、東海環状自動車道西回り区間について、県側の主張に沿った形で、有料道路事業が導入されることになった。「今後もあらゆる機会をとらえ主張していきたい」と述べた。

会場には、古田知事をはじめ、国会議員、県・市議会議員、沿線関係市町村長ら90人が参加。

意見発表には、國島芳明高山市長が、東日本大震災を経て再認識した東海北陸道の重要性と4車線化の必要性について発表。飛騨地域においても東海・東南海地震等による被災が懸念される中、高速道路の緊急輸送路としての重要性を訴えた。

その後、白鳥IC~飛騨清見IC間、飛騨清見IC~小矢部砺波JCT間の4車線化などを柱とする決議を満場一致で採決した。

高速自動車国道の暫定2車線区間~全高速調べ~2011年06月25日

高速自動車国道の暫定2車線区間~全高速調べ~PDF:505KB

現行B/Cに加えて防災めんでの充実評価へ-社整審ネット上のリンク評価も-2011年06月25日

社会資本整備審議会道路分科会の事業評価部会(家田仁・部会長)は24日、第4回部会を開き、震災等を踏まえた今後の事業評価のあり方について検討。従来の3便益B/Cを基本とした評価に加え、防災面での評価手法の充実等で審議した。

部会では、防災機能に関する評価手法の考え方について田村亨委員(室蘭工大教授)の私案が示された。同案では、地域安全保障の観点から、東日本大震災で有効性が明らかになった三陸自動車道など道路の災害時の機能確保、東南海・南海地震で被害が予測される紀伊半島や四国・東九州太平洋沿岸の重点整備を図ることによる地域の孤立防止に言及。B/Cでは整備が実施できないものの、防災機能的に重要な道路を抽出し、更にはネットワーク上におけるリンクの評価を加えていくことも提案された。

部会では、安全な道路交通の確保から必要性、有効性、効率性の確認を行う事務局案をベースに、新たな指標を「スピード感を持って」(家田部会長)整理していくことで一致。評価対象となる道路は、主要地方道以上のネットワークとすることも確認された。

山陰道全線ネット化早く溝口島根県知事が重点要望2011年06月15日

島根県の溝口善兵衛知事と洲浜繁達議会議長らは3日、小泉俊明・国土交通政務官と小宝寿明代議士に、地方の社会資本の整備促進を求め、①高速道路をはじめとする地方の道路整備の促進、②斐伊川・神戸川治水事業をはじめとする治水対策の促進、③国際物流拠点浜田港における物流機能の強化を柱とする重点要望を行った。

溝口知事はとくに高速道路について、持ち込んだipadの地図画面などを指し示しながら「島根県は新幹線も飛行機もない」と話し、平成32年を目処に山陰道全線のネットワークが完成するよう、都市計画決定済みの「湖陵~多岐」「大田~静間」「三隅~益田」の24年度新規事業着手と、「温泉津~江津」「益田~萩」の計画段階評価早期実施を求め、洲浜議長は「島根県は幹線道路が国道9号しかない。地方のミッシングリンク解消を優先してほしい」と訴えた。

小泉政務官は、「震災で高速道路だけが一日で復旧し、堤防としての役割も果たすなど、ライフラインとしての重要性がわかった。公共投資額はここ10年で半減しているが、“命の道”“命に直結するもの”は、必要なものとして進めたい。赤字国債と建設国債を分けて考えるような政策転換も与野党一致で取り組むべき」と述べ、「ぜひ、地方の声を届けて頂きたい」と要請した。

事業推進要望書案を採択圏央道建設促進期成同盟会総会2011年06月15日

首都圏中央連絡自動車道建設促進期成同盟会(会長=森田健作・千葉県知事)は5月16日、千葉市内で平成23年度通常総会を開催。

総会には、知事や沿線市町村長、県議会議員など約80人が出席。

冒頭、森田知事は「今回の大震災で、災害時の道路の意義や重要性を改めて認識した。圏央道の大栄JCT~横芝間は整備のめどが付いていない状況。沿線市町村の皆様の力を借りて、早期にめどを付けたい」と述べた。

圏央道県内区間について24年度の開通目標に基づいた事業推進を図ることなどを盛り込んだ要望書案を提示し、全会一致で採択した。

また、同同盟会は6月2日、東関東自動車道館山線建設促進期成同盟会(会長=石渡哲彦千葉県副知事)、東京湾環状道路並びに関連道路建設促進期成同盟(会長=同副知事)と、総会で採択した要望書を携え、石渡副知事、沿線市町村長らとともに、民主党の相原久美子・陳情要請対策本部副本部長や、小泉俊明・国土交通大臣政務官などを訪問し、合同要望を実施。

小泉政務官は「震災以降、皆さん同じ思いで“命の道”の整備を求めている。ピンチはチャンスと捉え、発想の転換を

図って進めたい」と話した。

 

 

首都圏ネットの早期整備を「9都県市首脳会議」が提言2011年06月15日

東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、さいたま市、横浜市、川崎市、相模原市、千葉市の首長で構成する「9都県市首脳会議」(座長・阿部孝夫川崎市長)は8日、国や政府に東日本大震災を踏まえ、首都圏の高速道路ネットワークの早期整備などを求める提言活動を行った。

提言は、東日本大震災という国難を乗り越え、経済を再び成長軌道に戻すためには、首都圏の高速道路のネットワーク強化が不可欠と指摘。①東京外かく環状道路や首都圏中央連絡自動車道など事業中区間の早期完成と計画の早期具体化、②ネットワークの効率的な利活用を可能とするための一体的な料金体系の構築、③災害時、9県都市と高速道路会社3社、国が一体となり、緊急時マネジメントを円滑に行うための連携体制の実現――を求めている。

国土交通省で池口修次副大臣に面談した東京都の村山寛司副知事は、「今回の大震災で首都圏の震災対応を含めて考えたときに9都県市全体の連携が重要という認識で、国にもしっかり協力してほしいと提言し、『その趣旨は本当にその通りだと、国交省としては頑張る』という力強い返事を頂いた」と話した。

「命の道」整備を早く三遠南信道路建設促進期成同盟会総会2011年06月15日

三遠南信道路建設促進期成同盟会(会長・阿部守一長野県知事)は14日、千代田区平河町の都道府県会館で平成23年度通常総会を開催。命の道として、地域連携の礎となる三遠南信自動車道の早期整備に向け、思いを一つにした。

会の冒頭、阿部会長は「東日本大震災で果たした高速道路の役割、更には昨年の豪雨で飯田市、天竜町で約2千人が孤立したことからも、高規格幹線道路の整備は命を守るということを痛感した」と挨拶。

更に、阿部会長は今年度、鳳来IC~引佐JCT間が供されることにも言及し、「建設が進められている新東名と連動することで、広域連携が強化される。道路はつながってこそ効果を発揮する。ネットワーク化はお金に換算できない直接的、間接的な効果は極めて大きい」として、三遠南信道の重要性を語った。

総会では平成22年度事業報告、23年度事業計画案等の議案を審議。三遠南信道路を構成する飯蕎道路、青崩峠道路、佐久間道路、三遠道路の一層の事業推進、事業化されていない区間の早期着手等を骨子とする決議案を満場一致で承認した。

総会後、阿部会長を中心とする要望団は国交省を訪問。池口修次副大臣と面談し、「三遠南信道は命の道。早期ネットワーク化を」と訴えた。

「整備の優先順位」など課題提起~高速道路のあり方検討委員会~2011年06月14日

高速道路のあり方検討有識者委員会(寺島実郎・座長)は14日、国交省内で第5回会合を開き、これまでの議論の概要を踏まえた討論が行われた。

委員会では、これまで行われたヒアリングをもとに、将来のネットワークのあり方として長期的な政策目標の設定、整備の優先順位について課題を提起。社会保障費の増大とともに減少が続く公共事業費の問題から「既にネットワークが有効に機能している地域とそうでない地域の差をどう考えるべきか」、また今後の地域づくりのため「高速道路がいつ完成するか明示すべき」、「防災、ミッシングリンク、4車線化などの優先順位をどう考える」等、今後の審議課題とされた。

また、7月上旬を目途にとりまとめられる予定の緊急提言についても審議。各委員から「道路という公共用物の役割は非常に大きく、広いものとして考えていく必要がある」「被災地の中の高速道路、三陸縦貫自動車道、常磐道の北部については、復興のため、前倒し整備というメッセージを出すべき」「今回の震災で、東北地方整備局が果たした役割が非常に大きかったことから、国と地方のあり方、官と民のあり方についても盛り込むべき」等の意見が出され、これらを踏まえ、28日の第6回委員会で引き続き審議していくことを確認した。

伊豆縦貫合同促進大会”命の道”早期整備を!-大畠国交相も大会決議に理解示す-2011年06月08日

伊豆縦貫自動車道建設促進期成同盟会(会長=川勝平太静岡県知事)・伊豆縦貫自動車道建設推進期成同盟会が8日、都内都道府県会館にて合同促進大会を開催した。

会場には、知事をはじめ、地元選出国会議員や地元県議会議員、市町長、市町議会議長ら関係者約90人が出席。

冒頭で川勝知事は、「東日本大震災において、東北道は発災翌日には緊急輸送路として活躍。高速道路は命の道としての位置づけが極めて強くなっている。当地域は東海地震により膨大な被害が想定されていることから、震災対策として伊豆縦貫自動車道は必要である」と挨拶。
講演は、兵藤哲朗東京海洋大学教授が、「東日本大震災の被災状況にみる伊豆縦貫道の必要性」と題して、背骨である伊豆縦貫道に「くしの歯作戦」

の拡大が必要と訴え、防災機能と共に、観光のイメージアップにも繋がると述べた。

河津下田道路(Ⅱ期)の平成24年度新規事業化、天城北道路の事業促進と早期供用、東駿河湾環状道路の事業促進と早期供用などを決議し、満場一致で採決された。

大会終了後、川勝知事らは、大畠国土交通大臣への要望活動を行った。

川勝知事は、津波対策としても伊豆縦貫自動車道の必要性を強く訴えた。

大畠大臣は「これまで国土交通省もB/Cと言ってきたが、3月11日時点で全ての行政関係者は意識を変えなければならない。どうやって命を守るか。伊豆についても直下型地震が起きた時にどうやって命を守るのか。それを考えて物事を進めていかないと間違ってしまう」と理解を示した。

損傷870㌔で今秋から本復旧工事-NEXCO東日本490億円で発注へ-2011年06月05日

 東北支社・東日本災害対策本部[提供:NEXCO東日本]

 

NEXCO東日本は、今秋から、東日本大震災とその後の強い余震により損傷した高速道路の本復旧工事に着手すると発表した。

3月11日の東日本大震災では、NEXCO東日本管内の高速道路のうち20路線・870㌔で、路面のクラック(97ヵ所)、ジョイント部段差(56ヵ所)、路面陥没(23ヵ所)、路面段差(174ヵ所)が発生した。

同社では通行止め実施後、ただちに緊急点検を開始。本社、東北支社、関東支社に東日本対策本部を設置し、6日後の17日には常磐道水戸~那珂間の仮復旧を完了。たった6日で主要道路の仮復旧を果たしたNEXCO東日本の技術力の高さに海外メディア・掲示板から賞賛が寄せられた。

さらに3月30日には損傷した870㌔の約95%にあたる827㌔で応急復旧を完了。簡易ブログツイッターは「道路の復旧の早さがすごい」「素晴らしい」「すごい!復興への底力」など、数え切れないツイートで埋め尽くされた。

そして、損傷した高速道路は4月14日、原発避難区域の常磐道いわき四倉~常磐富岡間延長16.4㌔を除く全区間で通行止め解除となっている。

NEXCO東日本によると、本復旧工事は被害の大きかった岩手・宮城・福島・栃木・茨城県内の東北道・常磐道などで実施。災害復旧事業費として国庫補助(一次補正予算)で行う。事業費は約486億円。このうち約7割を東北支社管内、約3割を関東支社管内に充てる。

本復旧工事は、応急復旧段階で段差や波打ちが残る本線部分に、舗装打換、橋梁支承の補修、法面補修等を行う。早ければ今月中にも発注公告が行われる見込み。

5月26日に行われた同社の定例会見では、長尾哲・管理事業本部長が、「工事については、短期間に集中して実施したい」と話し、東日本地域の復興事業を後押しすべく、予想される交通量の増と渋滞に対応し、早期に高速輸送路を確保したい考えを示した。

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