2013年6月 全高速トピックスバックナンバー

日沿道全線事業化悲願の着手に喜び分かち合う新潟、山形、秋田3県関係者が報告会2013年06月29日

平成25年度政府予算において、日本海沿岸東北自動車道の新潟、秋田両県境の未整備区間、朝日まほろば~あつみ温泉間40・8㌔と、遊佐~象潟間17・9㌔の新規事業化が決定。それぞれ1億円の予算が配分され、待望の全線事業化が実現した。これを受け、同道の沿線地域では「長年の労苦が実った」など、喜びの声で包まれている。6月29日には地元・酒田市で「日沿道全線事業化報告会」が催されたほか、同日の公明党時局講演会に出席した太田昭宏国土交通大臣は「日沿道は日本のけん引力になる」とその意義を強調。同月23日、酒田市の東北公益文科大学で行われた「日本海夕陽ラインシンポジウム」では、日沿道の全線開通を見据えた地域活性化について熱く意見が交わされるなど、新たな日本海軸の形成に向け、期待感は高まる。

6月29日、酒田市のガーデンパレスみずほで行われた「日沿道全線事業化報告会」には新潟、山形、秋田3県の関係者ら約500人が参集。庄内開発協議会会長を務める榎本政規鶴岡市長が、これまで整備促進に尽力された方々に謝辞を述べた後「今日が新たなスタート。1日も早く開通するよう、皆さんとともに力を結集したい」と力強く挨拶。早期完成に向け、今後も促進運動を強力に継続していくことを誓った。

また同日同所で行われた公明党時局講演会で講演した太田昭宏国交相は「整備しなければならない公共事業は着実に実施していく」とした上で、「日沿道が東日本大震災で果たした役割は計り知れない。日本海側の軸は早くつくる必要がある」と日沿道の早期整備に対する思いを披露。「人を守る、命を守る公共事業の日沿道が実現するのは地元の方々の熱意によるもの。その願いを受け、地域のため1日も早く通じるよう努力する」と力強く語った。

同月23日、日沿道と地域活性化を考える「日本海夕陽ラインシンポジウムin酒田」が開催され、日沿道を使った地域の新しいあり方等について活発な意見交換が行われた。出席した本間正巳酒田市長は、日沿道に期待する効果として酒田港の活性化などを挙げ「物流が良くなれば企業誘致や雇用創出の可能性が広がる」と展望を述べた。

同シンポジウムにでは社整審道路分科会事業評価部会長で、国土幹線道路部会の部会長代理も務める家田仁氏(東大大学院工学系教授)が基調講演を行い、「高速道路は地元住民が中心となり、上手に使う時代となった。道路の活用を前提とした広域連携的、地域間の役割分担的な施策が必要」と指摘。日沿道を軸として地域の存在感が強化されることへの期待感を語った。

4車線化事業待望の着手式和歌山・西日本有田IC~南紀田辺IC間2013年06月22日

和歌山県とNEXCO西日本は22日、御坊市内で御坊湯浅道路・有田IC~御坊IC間(延長19・4㌔)と阪和自動車道・御坊IC~南紀田辺IC間(延長27・2㌔)の4車線化事業着手式を開催した。国や県、市町村などから約120人が出席する中、4月に社会資本整備審議会道路分科会事業評価部会で事業化が認められた有田~御坊間を含む有田~南紀田辺間の事業着手を祝った。

式典は同市野口の日高川ふれあい水辺公園で開かれ、冒頭、主催者を代表して仁坂吉伸知事が「有田~南紀田辺間の混雑は著しく、現状では大惨事は避けられない。1日も早い全線4車線化は地元の悲願」と挨拶。「地元調整や用地買収を円滑に進めるため、有田振興局内に8人体制の専任スタッフを作る」と、有田振興局内に「湯浅御坊高速事務所」を設置し、事業推進体制の強化に努めることを報告した。

続いて、挨拶に立った石塚由成NEXCO西日本社長は「有田~御坊間の4車線化は、8年半後の完成を目標に施工計画や設計、工法に工夫を凝らすなど努力していくので、関係の皆さんの力強い支援をお願いしたい。用地取得済みの御坊~南紀田辺間の4車線化も逐次進め、早期完成に取り組む」と決意を語った。

来賓挨拶では、鶴保庸介国土交通副大臣が「私たちの悲願は有田から南紀田辺まで、いや県全線を4車線化することだ。1日も早く実現したい」と挨拶。自民党国土強靭化総合調査会長の二階俊博衆院議員は「(完成までの)8年半は長く、短縮できる方法を考えたい。この道路は和歌山県の命の道」と語り、早期4車線化を誓った。

この後、関係者らによる杭打ちと4車線化の完成イラストの除幕式が行われ、万歳三唱で早期完成を願った。

有田~御坊間の事業費は約710億円。拡幅する2車線分の用地取得については、県がNEXCO西日本から用地取得業務等を受託する。一方、御坊~南紀田辺間は拡幅する2車線分の用地は取得済み。数カ所でIC合分流部の安全対策として付加車線を設置し、4車線化する。

整備推進へ強力提言活動を/三遠南信道路建設促進期成同盟会通常総会2013年06月12日

三遠南信道路建設促進期成同盟会(会長=阿部守一長野県知事)は12日、千代田区平河町の都道府県会館で平成25年度通常総会を開催。三遠南信自動車道の建設促進、並びに同道と一体的に機能する一般国道の整備推進について国など関係機関に提言活動を強力に実施していく事業計画案を満場一致で採択した。

牧野光朗飯田市長の開会の辞に続いて、登壇した阿部会長は「三遠南信道路はリニア新幹線とともに、地域を劇的に変える可能性を秘めている。地域が結び合い、それぞれを補完し合うためにも不可欠な道路」と挨拶。本年度予算で前年度比1・5倍の予算が三遠南信道路に計上されたことに触れ、「皆さんの尽力で着実に進んでいる。周辺と一体となったネットワーク形成が求められている」として、現道活用区間として長野県が整備を担う国道152号の促進に強い意欲を示した。

この後、同期成同盟会の顧問を務める塩谷立衆院議員、宮澤博行衆院議員、吉田博美参院議員、岩井茂樹参院議員が来賓挨拶。また、国交省道路局の三浦国道・防災課長は「災害に強い高規格道路の整備のためにも地域の声が必要」と述べた。

議案審議の後、牧野飯田市長が①既に事業化されている飯喬道路、青崩峠道路、佐久間道路・三遠道路の一層の事業推進と、早期供用を図ること②(仮称)水窪ICから(仮称)佐久間ICの間について、計画段階評価など事業化に向けた手続きを推進すること――等を骨子とする決議案を朗読。大きな拍手で採択された。

圏央道の開通時期明示等茨城県の橋本知事が梶山国交副大臣に要望2013年06月07日

茨城県の橋本昌知事は7日、梶山弘志国土交通副大臣を訪ね、開通時期が明確化されていない圏央道「東北道~つくば中央IC間」、「神崎IC~東関東道間」について、「開通時期を明示するとともに、必要な事業費を確保し、早期に開通させること」を強く要望した。

要望を受けて、梶山副大臣は「近いうちに供用時期が明確にできるよう検討して行きたい」と語った。

開通予定の明示については、沿線のまちづくりや企業立地促進に深く関わることから、全国の自治体より要望が相次いでいる。これを受けて国土交通省では14日、平成25年度予算を踏まえた道路事業の見通しを公表。全国40カ所の直轄事業について開通年度の見直しや具体の明示を行った。橋本知事が要望した区間についてもそれぞれ、平成26年度(東北道~境IC、神崎IC~大栄JCT)、平成27年度(境IC~つくば中央IC)と決定した(次号詳細)。

広瀬大分県知事東九州道の現場を視察2013年06月06日

大分県の広瀬勝貞知事は6日、東九州自動車道の視察を行った。

国土交通省佐伯河川国道事務所の中野道男所長や担当者から、東九州自動車道・佐伯IC~蒲江IC間(延長20.4㌔)の番匠川橋や、佐伯トンネル等の概要と工事進捗状況の説明を受けると、広瀬知事は「安全に気をつけ頑張ってください」と激励の言葉を述べた。

番匠川橋は、延長539㍍、同区間15ある橋梁で最長。平成15年8月に工事着手し、供用は平成27年度予定。また、佐伯トンネルは、延長1560.5㍍、同区間9本中2番目に長いトンネルで、熊谷組の施工により、平成27年3月10日まで工事が続く。

東九州自動車道は、北九州を起点に鹿児島市に至る延長436㌔の高規格幹線道路。このうち、同事務所では「佐伯~県境」間(約30㌔)を平成16年度から「新直轄事業」として整備を進めており、平成27年度供用を目指し、工事を進めている。

プラザ川崎・海ほたるバス見学会/高速道路友の会・全高速が共催2013年06月06日

NPO法人高速道路友の会は6日、昨春オープンした東名高速コミュニケーション・プラザ川崎と、今春リニューアルオープンした海ほたるをバスで巡る見学会を全国高速道路建設協議会と共催した。

東名東京料金所に隣接するコミュニケーション・プラザ川崎は、高速道路整備の歴史や建設現況、維持管理の現場を、パネルや人気番組「プロジェクトX」のようにドラマ化した15分間の映像で見せる言わば“高速道路の歴史博物館”。昨年4月16日にオープン以来、幼稚園児から中高生、ビジネスマンなど幅広く約5千人が訪れている。

高速道路の本線や施設を10㍍に縮尺した巨大なジオラマでは、「休憩施設の横から出ているあの道はなんですか?」とスマートICについて質問する参加者もあり、高速道路の精巧な模型に多くのフラッシュが光った。

また、プラザの倉内公静館長による案内で、同じ建物内にある道路管制センターも見学。渋滞や事故を見守る現場の緊迫した空気に触れた。

海ほたるへの移動では、一般道の渋滞に遭遇。ようやく浮島から東京湾アクアラインに入ると、平日にも関わらず多くの車両が走っていることから、「料金が割引になって、大型車も予想以上に走っている」と、開通当時を知る参加者から驚きの声が上がった。

海ほたるでは、東京湾アクアライン管理事務所のスタッフが同行し、技術資料館「うみめがね」や緊急避難坑を見学。参加者は、本線と避難坑を結ぶ滑り台や消火設備など、普段見ることのできない施設を興味深そうに覗き込んでいた。

NPOと全高速による見学会は今回で5回目。次回は6月26日、東京都市大学の生徒約45人が、東名・新東名高速道路を見学する。NPOでは、「次世代の道路行政を担う若者に、どんどん見学会に参加してほしい。他校にも積極的に参加を呼び掛けている」と話している。

◆写真説明◆プラザ川崎の巨大なジオラマ(写真上)と、海ほたるの緊急避難抗(写真下)

恵那山トンネル内の天井板撤去等に伴い、中津川~飯田山本間で通行止め等実施2013年06月05日

NEXCO中日本は、安全性向上の取組みの一環として、中央自動車道・恵那山トンネル(下)のトンネル換気設備の更新と併せ、トンネル内の天井板・隔壁板等の撤去工事を実施する。それに伴い、20日~7月10日まで、同道・中津川IC~飯田山本IC間で、昼夜連続対面通行と通行止めを行う。

昼夜連続対面通行は、21日午前6時~7月9日午後1時まで。通行止めは、20日午後6時~21日午前6時と、7月9日午後1時~7月10日午前6時まで。

工事期間中は、土曜日午前中に上り線、日曜日の夕方に下り線の渋滞が予想される。外出前の道路交通情報は、http://c-ihighway.jp/(PC、携帯、スマホ共通)。

◆6月6日(木)開催!東名「プラザ川崎」と東京湾「海ほたる」バス見学会の参加者募集(定員締切り)2013年06月01日

「NPO法人高速道路友の会」と「全国高速道路建設協議会」は6月6日(木)、東名高速コミュニケーション・プラザ川崎と、東京湾アクアライン海ほたるをバスでまわる見学会を企画。現在その参加者を募集している。申込みは5月15日まで(定員締め切り)。

高速道路の魅力を広くPRする施設として昨年4月にオープンした「東名高速コミュニケーション・プラザ川崎」では、建設工事のジオラマやプレゼンテーション映像を鑑賞。20日にリニューアルオープンしたばかりの海ほたるでは、東京湾アクアラインの全てがわかる技術資料館「うみめがね」や、緊急避難坑等の見学をする。全行程で解説者が同行。NEXCO中日本、NEXCO東日本のスタッフらが随所で説明を行う移動教室スタイルとなっている。

参加費は一般3500円、会員・学生は3千円。会員登録及び年会費は無料。募集人数は35人。

参加ご希望の方は、友の会HP(http://k-tomonokai.org/)へ。

【コース概要】

東京駅鍛冶橋駐車場集合(午前9時まで)→東京駅出発(午前9時15分)→東名川崎IC→コミュニケーション・プラザ川崎、交通管制室見学→府中街道→東京湾アクアライン→海ほたる(昼食後うみめがね、緊急避難抗、防災設備等)見学→東京湾アクアライン→東京駅解散(午後4時頃)。

【写真/東京湾アクアライン㊤と海ほたる㊦】

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