町から村から(7月)

新型コロナ対応のため、全高速の第57回総会は書面で開催された。その後休みなく展開されている各地区の要望活動の取組みを紹介する。

新都心の災害拠点機能発揮へ 一日も早い整備が必要

【新大宮上尾道路建設促進期成同盟会】

新大宮上尾道路は、関越自動車道と東北自動車道の中間に位置し、首都東京と埼玉県の中枢部や圏央道沿線地域を直結するとともに、圏央道を介して上信越地方や東北地方に繋がる極めて重要な道路である。

15年10月の圏央道の埼玉県内区間全線の開通に引き続き、18年6月には東京外かく環状道路の埼玉県内区間全線が開通した。本県の地理的優位性はより一層向上しており、圏央道沿線地域を中心に多くの企業立地が進展している。今後、物流の活発化等に伴い増大する交通需要への対応や沿線地域の更なる発展と生産性向上のためには、圏央道から都心方面へのアクセス強化は必要不可欠であり、新大宮上尾道路の重要性はこれまで以上に高まっている。

現在、首都高速埼玉大宮線が与野ジャンクションで途切れているため、長距離移動の物流車両などの通過交通が国道17号新大宮バイパス等に流入し、交通容量の大幅な不足から慢性的に激しい渋滞が発生している。国道17号沿線地域における南北方向の安全で円滑な交通を実現させるためには、新大宮上尾道路を圏央道まで整備し、交通容量の拡大と道路の適正な機能分担を図る必要がある。

また、沿線のさいたま新都心は、広域防災拠点に位置付けられているが、上信越、東北方面の主要拠点等から高速道路で直接アクセスできない状況にある。さいたま新都心が災害時の首都機能のバックアップ拠点として、その機能を最大限に発揮するためにも新大宮上尾道路を早期に整備する必要がある。

新大宮上尾道路の与野ジャンクションから上尾南出入口(仮称)までの区間については、現在、国と首都高速道路の合併施行により事業が進められているところであり、早期完成に向けた関係者の皆様の御尽力に改めて感謝申し上げる。

今後とも、本線路の一日も早い完成を切実に願う沿線自治体としても、一丸となってできる限りの協力をしていきたい。

つきましては、これらの状況を踏まえ、次の事項を要望する。

1、国の直轄事業及び首都高速道路による有料道路事業として事業中の首都高速道路与野ジャンクションから上尾南出入口(仮称)までの区間については、コスト縮減に努めつつ早期完成に向け事業を強力に推進すること。

1、本路線の機能を最大限発揮させるため、現在事業化されていない上尾南出入口(仮称)から圏央道までの区間について、早期に事業化すること。

1、国道17号沿線地域の安全で円滑な交通確保、及びさいたま新都心の災害拠点機能を最大限に発揮するため、新大宮上尾道路を重要物流道路として指定し、早期開通のための十分な事業費を確保すること。

1、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に基づき、計画的な事業進捗を図るため、その必要額を当初予算において、通常予算とは別途、安定的に確保すること。

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四国8の字整備実現で 安全・安心なくらし確保へ

【高知東部自動車道整備促進期成同盟会】

四国東南部地域では、歴史的・文化的資産を生かした周遊型観光や豊かな自然を生かした体験型観光の施設整備や受入体制の強化、体験型イベントの開催など積極的な観光振興に取り組んでいる。また、地域の特産品を使ったご当地料理の商品開発支援・販売拡大や農業の担い手確保と生産量増加に向けた新規就農者支援や環境制御技術の導入促進など、観光・産業振興による地域の活性化に取り組んでいるところである。一方で、発生が切迫する南海トラフ地震や激甚化する自然災害に備えるため、地域では高台移転の推進、津波避難タワーや防災拠点施設の整備など、防災・減災の取り組みも進めているところである。

これらの取り組みの基幹となる四国東南部地域の幹線道路は、国道55号の一路線のみで、大部分が海岸沿いのため、代替路もなく、台風や集中豪雨により長時間におよぶ通行止めが発生しており、救急医療搬送をはじめ、観光振興、農林水産物の流通など地域の発展や地域住民の通勤・通学などにも支障をきたしている。

このような状況の中で、四国東南部地域における高規格道路の整備は、計画段階評価未着手区間や未事業化区間が残るなど、依然としてネットワーク完成の目途が立たない状況であり、発生が切迫する南海トラフ地震が起きれば、幹線道路は津波や落石、斜面崩壊により寸断され、我々沿線市町村は、完全に孤立することを危惧している。大規模災害発生時の緊急輸送ルートを確保するためには、甚大な被害をもたらした東日本大震災時に機能したような信頼性が高い高規格道路ネットワークの整備が急務である。

また、四国東南部地域の安全・安心なくらしを確保し、地域経済の活性化等のストック効果を発揮させるためには「四国8の字ネットワーク」をはじめとする「命の道」の整備を着実に進めていく必要がある。このため、新型コロナウイルス感染症で疲弊した地域経済をV字回復させるため、さらにはポストコロナ時代の「新たな日常」を実現するために次の事項について強く要望する。

1、四国横断自動車道「阿南~徳島津田」、「徳島沖洲~徳島JCT」、高知東部自動車道「高知龍馬空港~香南のいち」、「芸西西~安芸西」、阿南安芸自動車道「桑野道路」、「福井道路」、「海部野根道路」、「野根安倉道路」(直轄権限代行区間)、「安芸道路」の早期整備

1、計画段階評価の完了した阿南安芸自動車道「牟岐~海部」、「奈半利~安芸」の早期事業化と残る未着手区間である、「美波~牟岐」の計画段階評価の早期着手

1、高知県が補助事業として、整備を進める、「北川道路」(1工区、2―

2工区)の事業推進に必要な予算の確保

1、国道55号の事前通行規制区間の解消、越波、豪雨等に伴う路面冠水等による通行止めが頻発する区間を解消するための防災・減災対策の早期実施

1、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に必要な予算・財源の当初予算による安定的な確保

1、災害への備え及び観光等の経済振興のため、人流・物流の活性化に向けた高規格道路のミッシングリンクの解消、ダブルネットワークの構築

1、国土強靱化の事業計画に基づく道路の橋梁、トンネル等の老朽化対策の推進

1、頻発化する大規模自然災害の脅威・危機に即応するため、また、災害対応時の国からの継続的な人的・技術的支援確保のため、四国地方整備局及び各事務所の体制の充実・強化

1、道路整備・管理が長期安定的に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、22年度道路関係予算所要額の満額確保

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道路整備効果早期発現へ 国土強靱化の取り組みを推進

【道路整備促進期成同盟会高知県地方協議会】

高知県内の各地域では、気候変動の影響により激甚化、頻発化する自然災害や、発生の切迫度が高まる南海トラフ地震への備えを高めるため、インフラの整備に加え、庁舎の高台移転など、住民の命を守りつなげるための取り組みを強化している。

また、新型コロナウイルス感染症の影響により、深刻な状況に陥っている地域経済を復興させ、さらに、コロナとともに生きる新たな社会の構築に向けて、観光の再生や県産食材の消費回復などに全力で取り組んでいる。

道路整備においては、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に引き続き、昨年12月に閣議決定された「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」予算を活用し、高規格道路のミッシングリンクの解消や法面対策、老朽化対策などによる道路ネットワークの機能強化を推進している。

しかしながら、山間部を多く有する本県には、異常気象時通行規制区間や防災上危険箇所が多数存在するため、これらを前倒しで解消していくとともに、老朽化対策の予防保全への転換を図り、将来的な修繕費の縮減を図ることが急務となっている。

また、6月28日に、千葉県八街市において下校途中の小学生の列にトラックが突入し、児童5人が死傷するという痛ましい事故が発生した。日本の将来を担う若い命が絶たれることはあってはならないことで、早急の対策が求められる。

国土強靱化の取り組みを着実に進め、地域の安全・安心な暮らしや経済を支え、地方創生を強力に進めていくとともに、地域の取り組みと道路整備によってもたらされる効果を早期に発現させ、先々にわたり確実なものとし、ポストコロナ時代の「新たな日常」を実現させるため、以下の4項目を提言する。

1、四国8の字ネットワーク未事業化区間の早期事業化・四国横断自動車道(宿毛~内海)、阿南安芸自動車道(奈半利~安芸)

1、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に必要な予算・財源の当初予算における安定的な確保

1、南海トラフ地震対策及び通学路等の交通安全対策に必要な予算の確保

1、橋梁等、道路施設の予防保全への転換に必要な技術的支援及び予算の確保

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