「高速道路の災害対応と大規模更新」全高速等共催講演会に約200人

NPO法人東日本大震災復興対策等貢献協議会(内田道雄理事長)、NPO法人道路の安全性向上協議会(藤野陽三理事長)、全国高速道路建設協議会(尾﨑正直会長=高知県知事)は3月12日、東京・平河町の都道府県会館で講演会「高速道路の災害対応と大規模更新」を開催。NEXCO西日本の取締役常務執行役員保全サービス事業本部長の北村弘和氏と道路の安全性向上協議会理事で土木学会床版委員会元委員長の大田孝二氏の講演に、約200人が熱心に耳を傾けた=写真=。

北村氏の演題は「最近の西日本における災害とその対応」。近年西日本で発生した地震や豪雨、豪雪の対応を振り返り、教訓として役立てようというもので、昨年11月にも大阪で講演し、好評を博したもの。西日本豪雨災害では、5色に色分けした「通行止め予測図」の公表や、大災害の場合、本部長・部長が本部に常駐し陣頭指揮したことにより、円滑な復旧につながった実例などを紹介し、「今後、ハンドブック(防災対策業務必携)としてまとめる」ことなどを明かした。

大田氏の演題は「道路橋床版のこれまでとこれから」。床版の損傷、床版劣化の新たな形態、日米の床版損傷の現状や対策を柱に、ひび割れが生じる状況等を詳しく説明した。最近の損傷事例では、床版上面の土砂化や、ひび割れの目立たない「下面の水浸み」やそれによる床版の抜け落ちを紹介し、「新たな損傷形態を把握する必要性」を強調。「床版は50年以上供用してきた道路橋の根幹部材であるにも関わらず技術革新がなされていない。床版技術に興味を持ち、損傷の探査技術、維持管理技術等の発展に尽力をお願いしたい」と呼びかけた。

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