全高速特別要望① 菅官房長官「決議は政府で共有する」

[caption id="attachment_6633" align="alignleft" width="300" caption="菅官房長官を囲んで道路関係予算の拡大へ意見が交わされた"][/caption]

第54回総会後、採択された決議をもとに、尾﨑正直会長(高知県知事)、鈴木英敬副会長(三重県知事)、平井伸治監事(鳥取県知事)、西脇隆俊理事(京都府知事)は菅義偉内閣官房長官への全高速特別要望を実施した。高規格幹線道路網1万4000㌔の早期整備を軸に、暫定2車線区間の4車線化、新東名・新名神の6車線化、高速道路ネットワークの耐震強化、アクセス道路を含めたスマートICの整備推進等を実現するため、道路関係予算の拡大を要請。菅官房長官「全高速決議は政府として共有していく」と前向きに対応していくことを約した。

尾﨑会長(高知県知事) 本日行った総会では、1万4000㌔の早期整備、暫定2車線の4車線化、そして新東名・新名神の暫定4車線の6車線化、スマートICの整備、ナンバリング等を進めるべく決議させていただいた。

数えてみると、ミッシングリンクがある都道府県は40都道府県、暫定2車線を解消してほしいところは39道府県、更にはICを何とかしてほしいと思っているところが33府県ある。高速道路は都市、地方問わず全国的な課題であり、施策の実施と予算の確保が必要であり、ご理解願いたい。

平井伸治監事(鳥取県知事) 今年、大山1300年祭を行うことになっており、多くのお客さまをお迎えしているところ。しかしながら、鳥取西道路や北条道路などのミッシングリンクが多く残されており、本県の高速道路の整備率は全国で42番目となっている。

また、境港では港湾がどんどん伸びている。先日ロシアから総理が見送られた国際フェリーは、航路としては最終的に境港にまで繋がるが、高速道路は懸案が多くまだ繋がっていない。

加えて大きな課題が雪対策である。暫定2車線であるがために除雪による堆雪場所がなく、降雪による長時間の通行止めや滞留が発生する。昨年も大雪の影響により温泉街で1億円もの損失を出した。雪の降るところが怖いという風評被害も多い。暫定2車線の解消は切実な課題となっている。

鈴木英敬副会長(副会長) 東海環状自動車道西回り区間や新名神高速道路の沿線地域では、開通を見越して設備投資が加速している。沿線の方から、これまで三河から単身赴任で三重県へ来ている方が、高速道路が繋がることによって単身赴任せず、通勤することが出来るようになるというお話を聞いた。通勤圏の拡大により、企業では人手不足の中、ドライバーが集めやすくなるという話もあり、ミクロの面でも高速道路のストック効果が効いてくる。

また、四日市港は、今年から外国クルーズ客船の寄港が続く。東海環状自動車道の延伸により、三重県だけでなく岐阜県まで足を延ばしていただくことが可能になる。加えて、現在、中京圏も、関東圏や関西圏のように対距離制で統一し、そこから財源を生み出して、整備に充てていこうと主張している。一部料金が上がるところもあるが、それよりも高速道路が早く出来る方がいいと言っている。こうしたことも含め、汗をかいていく。

西脇隆俊理事(京都府知事) 大きな課題は新名神高速道路のミッシングリンク区間。城陽では新名神開通に合わせて西日本最大級のアウトレットの進出が予定されている。また、山陰とを結ぶ山陰近畿自動車道のミッシングリンク区間の整備も急ぐ必要がある。

京都縦貫自動車道の暫定2車線区間の解消も大きな課題であり、早期解消をお願いしたい。

尾﨑正直会長 東京から時間距離が一番遠いと言われている宿毛市の例で見ると、高速道路が整備されることで物流の目安となる6時間圏域が拡大し、大阪への輸送も視野に入る。高速道路により商圏が劇的に変わる。

菅義偉官房長官 いろいろとご提案をいただいた。知事の発信力は大きい。今回の全高速決議について、政府でも共有していきたい。

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