町から村から6月~9月

新型コロナ対応のため、全高速の第56回総会は書面で開催された。この間も休みなく展開されている各地区の要望活動等の取り組みを紹介する。

ネットワーク早期形成へ ミッシングリンク解消を

【高速道路のミッシングリンクを解消し日本の再生を実現する10県知事会議】要望書

高速道路のミッシングリンクを解消し、日本の再生を実現するために 近年は、19年東日本台風をはじめ、18年7月豪雨や16年熊本地震、東日本大震災等の多大な被害をもたらす自然災害が毎年のように相次いで発生し、また、南海トラフ地震をはじめとする大規模災害の発生も危惧されている中で、高速道路ネットワークは国民の生命と生活を守る「命の道」である。

さらに、高速道路ネットワークは地方経済の発展に不可欠な「地方創生の道」でもあり、特に新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた観光などの地方経済を早期に回復させるために必要不可欠な社会インフラである。

しかしながら、国の骨格を形成する高速道路ネットワークは、未だ多くのミッシングリンクが存在しており、国民生活の安全・安心の確保や、地方創生による日本経済の発展に大きな足かせとなっている。

よって、ここに以下のとおり要望する。

1.発生が危惧されている大規模災害に備え国土強靭化を進めるため、ミッシングリンクの早期解消を図り、高速道路ネットワークの早期形成を図ること。

1.新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた観光などの地方経済を早期に回復させるためには、ミッシングリンクの解消は必要不可欠であり、未事業化区間の計画段階評価などの速やかな実施と早期事業化を図ること。

1.ミッシングリンクの解消が計画的かつ着実に進められるよう、整備に必要な21年度道路関係予算の確保をはじめ、防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策の継続や対象事業を拡大するとともに、長期安定的に道路整備・管理が進められるよう新たな財源を創設すること。

1.高速道路が本来有するべき安全性・定時性の確保とともに、大規模災害時などに対する防災上の観点からも 、「高速道路における安全・安心基本計画」において4車線化の優先整備箇所として位置付けられた区間の早期整備を図ること。

2020年7月16日

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国際的ビジネスの拠点へ 外環道の早期整備が不可欠

【東京外かく環状道路(関越道~湾岸道路)整備促進連絡会議】東京外かく環状道路(関越道~湾岸道路)の整備促進に関する要望

首都圏が国際競争力を強化し、世界から人材・情報・投資が集まる国際的ビジネス拠点としての役割を十分に果たすためには、経済活動や都市機能を支える基幹道路ネットワークのさらなる整備が不可欠である。

中でも、首都圏三環状道路は首都圏の経済や生活を支え、東京オリンピック・パラリンピック大会時にも重要な役割を担う基幹インフラである。加えて、16年以降、環状道路の利用が料金の面で不利にならないよう、起終点を基本とした料金体系が首都圏に導入されていることからも、一刻も早い整備が求められる。

こうした中、首都高速中央環状線は、15年3月に全線開通し、また、現在約9割の整備率である圏央道は、早期全線開通に向けて検討・工事が進められている。これらの道路においては、渋滞緩和効果や、広域観光の振興や生活道路の安全性向上、大型物流施設等の企業立地や生産性の向上、雇用や税収の増加など多岐にわたるストック効果が確実に発現している。

一方、東京外かく環状道路(外環道)は、千葉区間が18年6月に開通したが、これまで都心を経由していた埼玉~千葉間(東北道↔東関東道)の交通の約8割が外環道へ転換し、中央環状線およびその内側の首都高では渋滞損失時間が約3割減少、埼玉~千葉間を運行しているバス事業者では、時間短縮により同じ人数の運転士で1日4往復から6往復へ増便でき生産性が向上するなど、様々な効果が現れていることからも、未開通区間として残っている関越道~湾岸道路間の重要性がいよいよ高まっている。

このうち、関越道~東名高速間は、東名ジャンクション、大泉ジャンクション両側からの本線シールドトンネルに加え、本線と地上をつなぐランプシールドトンネルの工事が進められている。また、大深度地下で本線とランプをつなぐ地中拡副部についても、鋭意、検討が進められている。引き続き、コスト縮減を図りながら着実に事業を進めていく必要がある。

一方、東名高速以南(東名高速~湾岸道路間)は、首都圏三環状道路の総仕上げの区間であり、湾岸道路等との接続により関越道・中央道・東名高速と羽田空港や京浜港とのネットワークが確立される極めて重要な路線であり、高いストック効果が期待されているが、未だルートが確定していない予定路線である。その具体化に向けた検討の場として、16年2月に「東京外かく環状道路(東名高速~湾岸道路間)計画検討協議会」が設立し、昨年6月には5回目の協議会が開催されたところであるが、早期計画具体化に向け、検討をさらに加速していくことが求められる。

外環道の整備は、都心に流入している通過交通が迂回でき渋滞解消につながるため、関越道~東名高速間のみでも経済効果や生活道路の安全性向上、環境改善効果など、多岐にわたるストック効果が期待されている。とりわけ、首都直下地震等の発災時には、一部区間に不通が生じた際にも速やかに移動することができる迂回機能(リダンダンシー)を発揮し、日本の東西交通の分断を防ぐことからも、必要不可欠な路線である。

従って、外環道のさらなる整備促進に向けて、右記の通り、特段の配慮をお願いするものである。

1.東京外かく環状道路(関越道~東名高速間)の早期開通

・本格化している本体トンネル部の工事を安全かつ着実に推進し、1日も早い開通を目指し、国において用地補償および工事に必要な財源を確保すること。

・現在、約9割の進捗であるJCT・IC等の用地取得及び区分地上権取得を促進すること。特に進捗が遅れている青梅街道IC部における用地取得、区分地上権取得を国と東京都が連携のうえで加速すること。

2.東京外かく環状道路(東名高速~湾岸道路間)の早期計画具体化

・環状道路としての機能を最大限発揮させるために、「東京外かく環状道路(東名高速~湾岸道路間)計画検討協議会」において、スピード感をもって検討を進め、東名高速から湾岸道路間のルート全体の計画について、起終点やインターチェンジの位置等を決定し、できる限り早期に事業化すること。

20年9月8日

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南九州西回り道の整備促進で 社会基盤の早期確立を

【南九州西回り自動車道建設促進協議会、南九州西回り自動車道建設促進期成会、熊本県議会県南振興議員連盟、鹿児島県議会南九州西回り自動車道建設促進議員連盟】要望書

南九州西回り自動車道の整備推進については、日頃から格別の御高配を賜り、厚く御礼申し上げる。おかげさまで芦北出水道路の津奈木IC~水俣IC間については、19年3月に開通していただいた。これまで開通した区間の沿線地域においては、企業立地数や観光入込客数の増加、救急医療活動の向上など、開通の整備効果が着実に現れてきている。また、鹿児島道路の美山IC~伊集院IC間については、去る3月31日に、NEXCO西日本へ4車線化の事業許可がなされたところである。このように本自動車道の整備推進が図られることは、熊本・鹿児島両県にとりまして大変喜ばしいことであり、深く感謝申し上げる。

八代市から水俣市・出水市・阿久根市・薩摩川内市などを経て鹿児島市に至る本自動車道の沿線地域は、地理的、地形的な制約から地域の発展に必要な社会基盤の整備が大きく立ち遅れている。特に地域の生活や産業活動を支える本自動車道をはじめとする道路網の整備が大きな課題となっている。

水俣市を中心とした沿線地域では、水俣病問題を抱えており、疲弊した同地域の再生・振興に向けて、基盤となる本自動車道の早期整備は不可欠であり、1997年6月の「水俣病に関する関係閣僚会議申し合わせ」においても、本自動車道の整備促進を図るとされている。

本自動車道は、九州電力川内原子力発電所に近接しており、万が一の原子力災害発生時における周辺地域の住民の迅速な広域避難や物資の緊急輸送などに大きな役割を担う重要な道路でもある。また、16年に発生した熊本地震では、熊本県内各地の道路網が寸断される中、特に甚大な被害を受けた熊本都市圏や阿蘇地方への救援物資輸送路として大きく貢献した。

このような中、道路整備においては、全国的な大きな自然災害を教訓に国土強靭化や新型コロナ感染症対策など、緊急を要する課題が山積しており、高規格幹線道路を計画的に進めるためには、国の道路関係予算を増額するとともに、平常時・災害時を問わず、安定的かつ安全・円滑な輸送を確保するための広域交通ネットワークとして整備する必要があると考えるところである。

ついては、新型コロナ感染症からのV字回復を目指すとともに、南九州西回り自動車道の整備が沿線地域の民間投資の誘発や生産性の向上など、力強く持続的な経済成長の実現及び豊かな暮らしの礎となる地域づくりを進める上で必要不可欠な道路であることを十分認識していただき、次の事項について特段の御高配を賜りますようお願い申し上げたい。

1.高速道路ネットワークの整備や激甚化・頻発化する災害への防災・減災対策、老朽化対策を含め、道路整備・管理が進められるよう、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」以降の継続・拡充とともに、今後増大する老朽化対策費用の確保や、新形コロナ収束後に経済をV字回復させるため、新たな財源を創設し、長期安定的に道路関係予算を増額・確保すること。

1.21年度予算においては、高速道路網の整備を推進するための所要額を満額確保すること。

1.地域の安全・安心を確保し、経済・産業の活性化を図るため、災害時の基幹ネットワークを確保するとともに、平常時の経済活動を支える南九州西回り自動車道のミッシングリンクを早期に解消するよう、予算の重点配分を行うこと。

1.南九州西回り自動車道の全線を「重要物流道路」に指定し、早期整備を図ること。

1.芦北出水道路(水俣~出水間)の供用予定年次の明示及び早期完成を図ること。

1.阿久根川内道路の全区間において用地取得や工事に着手するなど、更なる整備推進を図ること。

1.暫定2車線区間における4車線化の優先整備区間である美山IC~伊集院IC間の整備促進及び八代南IC~日奈久IC間の早期事業化を図ること。

1.災害に強い高速道路ネットワークを構築するため、また、災害発生時における機能確保や維持管理を確実に行うために、地方整備局の人員体制の充実・強化を図ること。

2020年8月31日

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