町から村から(7月~8月)

新型コロナ対応のため、全高速の第57回総会は書面で開催された。その後休みなく展開されている各地区の要望活動の取組みを紹介する。

東九州自動車道県南区間ミッシングリンク解消を

【東九州自動車道日南市建設促進協議会/東九州自動車道串間市建設促進協議会】

九州の東海岸部を南北に走る東九州自動車道は、2016年4月に北九州市から宮崎市まで繋がり、人や物の流れが格段に活発化するなど、まさに東九州地域の「屋台骨」として機能しているところである。一方、県南区間においては、「日南北郷~日南東郷」間が部分的に開通しているものの、そのほとんどがミッシングリンクとして残されており、特に、「南郷~奈留」間は東九州自動車道で唯一の未事業化区間となっている。

そのような中、日南市や串間市においては、22年度に予定されている「清武南~日南北郷」など順次開通する高速道路の整備を見据えて、高速道路の開通直後からストック効果が最大限発揮されるよう、工業団地や道の駅の整備など産業や観光の振興など、地域の取組を先行して行っているところである。

東九州自動車道の県南区間は、農林水産業の活性化や企業誘致・観光の振興等による新たな雇用創出に大きく寄与する「経済の道」として、また、今後、発生が予想されている南海トラフ巨大地震等の大規模災害時において、避難・救助や緊急物資の輸送等ができる「命の道」として、さらには、宮崎県南部から鹿児島県大隅地方にかかる地域の救急体制の構築に寄与する「医療の道」として機能する重要な道路であり、東九州地域の一体的かつ広域的な発展のためには、本県県南区間の早期整備が必要不可欠である。

ポストコロナ時代の「新たな日常」を実現するとともに、地方創生及び国土強靱化を推進し、ストック効果を早期に発揮させるため万全を期す所存ですので、下記の事項について、特段の御配慮をいただきますようお願いしたい。

1 高規格道路のミッシングリンクの解消のため、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に必要な予算については、長大橋やトンネルなど規模が大きい工事等も計画的に実施できるよう、当初予算での措置を含め、安定的に確保すること。

2 「南郷~奈留」間の早期事業化を図ること。

3 「清武南~日南北郷」間の早期完成を図ること。

4 「日南・志布志道路」及び「油津・夏井道路」の事業促進を図ること。

5 道路整備に加え災害時の現場対応や自治体支援において大きな役割を担う国の人員体制の充実・強化を図ること。

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交流と共生の理想の都づくりへ 早期整備の強力な推進を

【北近畿豊岡自動車道・山陰近畿自動車道早期実現促進大会実行委員会】《構成団体》豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町/新温泉町山陰近畿自動車道整備推進協議会/北近畿豊岡自動車道早期実現養父市民会議/北近畿豊岡自動車道建設促進期成同盟会/南但馬北近畿豊岡自動車道整備推進協議会/但馬・地域高規格道路推進協議会/兵庫但馬地域国道連絡会

兵庫県の北部、日本海側に位置する但馬地域は、風光明媚で豊かな自然環境に恵まれ、人と自然が共生・共存する多様な文化、歴史、風土を活かした地域づくりを推し進めてきた。

その一方で、本格的な人口減少・少子高齢化の到来は、但馬地域の財政・経済を圧迫するとともに、今後一層深刻な影響を及ぼすことが懸念される状況である。従来にも増して、地域の特徴を活かした持続可能な社会を創生することが、但馬地域にとって切実かつ喫緊の課題となっている。

このような中、但馬3市2町は、新たな飛躍を期し「交流と共生の理想の都」づくりを推進しているところである。産業経済、交流、医療、災害時などの分野のストック効果が期待できる高規格道路網の整備が、持続可能な地域創生を図るうえで最も重要であると痛感している。

但馬地域と阪神都市圏とを南北に結ぶ「北近畿豊岡自動車道」と、環日本海時代を展望した「山陰近畿自動車道」の着実な整備が、地域の連携をより一層強固なものとし、今般のコロナ禍で芽生えつつある一極集中是正の動きを地方創生につなげる大きな原動力になると確信している。

但馬3市2町は、住民総意のもと、活力ある地域づくり、ふるさとづくりに邁進する所存であり、次の事項について格段のご高配をお願いしたい。

1「北近畿豊岡自動車道」の早期整備を強力に推進いただきたい。

(1)豊岡道路(但馬空港IC~(仮)豊岡IC)の2024年秋の確実な開通

(2)豊岡道路(Ⅱ期)((仮)豊岡IC~(仮)豊岡北JCT・IC)の早期着工に向けた事業促進

2「山陰近畿自動車道」の早期整備を強力に推進いただきたい。

(1)(仮)豊岡北JCT・IC~(仮)城崎温泉IC間の直轄による調査の実施、直轄権限代行による早期事業化

(2) 浜坂道路Ⅱ期(居組IC~新温泉浜坂IC)のトンネル等大型構造物施行に必要な予算確保

(3)竹野道路((仮)竹野IC~(仮)豊岡北JCT・IC)の早期用地買収に向けた予算確保

(4)(仮)城崎温泉IC~府県境間の直轄による調査の実施、直轄権限代

行による事業化

3道路事業関係予算総額の確保と整備を推進いただきたい。

(1)「防災・減災、国土強靭化に向けた道路の5か年対策プログラム」

の確実な実施のための予算・財源の確保と計画的な事業推進

(2)予防保全型メンテナンスを実施するための予算と新たな財源の確保

(3)災害への備えや観光等経済活動復興のための高規格道路ネットワークの整備

(4)直轄権限代行や頻発する大規模自然災害等に対応するための地方整備局等の体制の充実・強化

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早期ネットワーク化に向け 俵山・豊田道路の早期完成を

【山陰道長門・下関建設促進期成同盟会】

私たちの最も基本的な理念は、住んでいる地域社会が豊かに、そして、いつまでも安全で安心して暮らし続けられる社会を実現することである。

高速道路ネットワークは、地域経済の活性化はもとより、教育・医療・福祉などの生活環境を支える基本的なインフラであり、住民生活の基盤を確立し、豊かで活力ある地域社会を実現する「地方創生」のため、さらには平成30年7月の西日本豪雨、令和元年8月の九州北部豪雨、令和2年7月の九州南部豪雨等、近年激甚化・頻発化する災害に対する国土の強靱化やポストコロナ時代の「新たな日常」を構築するために不可欠な社会基盤である。

山口県の北西部地域において、豊かな地域資源、観光資源等による地域経済の活性化及び山陽圏、九州圏との人的・物的な対流による企業誘致の促進や新たな産業の創出等、自立的発展や活力ある地域づくりを進め、また、災害時の孤立の解消や救急医療支援など、地域住民の安全・安心確保を図るためにも山陰地域と山陽地域や九州圏の玄関口である下関市の中国縦貫自動車道とを結ぶ「山陰道長門・下関間」の早期整備は喫緊の課題である。

当地域においては、「長門・俵山道路」が19年9月に開通し、「俵山・豊田道路」も20年度より改良工事に着手されるなど大きく前進している。しかし、山口県内の山陰道は、他県に比べ特に整備が遅れており、また高速道路として連続したネットワークが形成されていないため、効果が最大限に発揮されていない。

我々、下関市・長門市民は、山陰道の高速道路ネットワークのミッシングリンクの早期解消のため、悲願である「山陰道長門・下関間」の早期完成を期して、次の事項を強く求める。

1、山口県北西部地域の安全・安心を実現し、地域経済の好循環や生産性の向上に資するストック効果を早期に実現させるため、「俵山・豊田道路」の早期完成に向けて整備促進を図るとともに、優先整備区間である「山陰道三隅・長門間」をはじめ、「山陰道長門・下関間」の残る未整備区間においても、ただちにルートの選定に入り、早期ネットワーク化に向けて事業を着実に進めること。

1、国土の根幹的な社会基盤施設である高規格幹線道路網については、国の責任において未整備区間の解消を図ること。また、国土強靱化やコロナ収束後の物流・観光等の経済活動復興、分散型の国土利用のための道路ネットワークの整備を、計画的かつ着実に推進すること。

1、山陰道のルートやインターチェンジ等の計画にあたっては、地方経済に好影響をもたらす社会資本ストック効果の観点や、地方創生を実現させるため、救急医療施設へのアクセス時間短縮、企業立地の促進や観光客の誘致など、地域の実情と将来的な展望とを十分考慮すること。

1、防災、減災、国土強靱化のための5か年加速化対策に必要な予算・財源の確保と計画的な事業の推進を図ること。また、道路整備・管理が長期安定的に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、22年度道路関係予算は、所要額を確保すること。さらに、地域経済の下支え効果が確実な公共事業を含む補正予算を早期に編成すること。

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[caption id="attachment_11441" align="alignleft" width="300"] 7月20日に行われたWEB会議[/caption]

ミッシングリンク解消へ 新たな財源の創設を

【高速道路のミッシングリンクを解消し日本の再生を実現する10 県知事会議】

近年は令和2年7月豪雨をはじめ、令和元年東日本台風、平成30年7月豪雨や平成28年熊本地震、東日本大震災等の多大な被害をもたらす自然災害が毎年のように発生し、また、南海トラフ地震をはじめとする大規模災害の発生も危惧されている中で、高速道路ネットワークは国民の生命と生活を守る「命の道」である。

さらに、高速道路ネットワークは新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた観光などの地方経済を早期に回復させる「地方創生の道」であり、アフターコロナを見据え、東京一極集中型から多核連携型の国づくりへ転換するためにも必要不可欠な社会インフラである。

しかしながら、道路ネットワーク整備の契機となった前回の東京オリンピックから57年が経過し、東京2020オリンピックが開催される現在もなお未だ多くのミッシングリンクが存在しており、国民生活の安全・安心の確保、地方創生による日本経済の発展、多核連携型の国づくりを実現させるため、以下の項目を要望する。

一、発生が危惧されている大規模災害に備え国土強靱化を進めるため、ミッシングリンクの早期解消を図り、高速道路ネットワークの早期形成を図ること。

一、新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた観光などの地方経済を早期に回復させるため、また、多核連携型の国づくりを推進するためには、ミッシングリンクの解消は必要不可欠であり、未事業化区間の計画段階評価などの速やかな実施と早期事業化を図ること。

一、ミッシングリンクの解消が計画的かつ着実に進められるよう、令和4年度道路関係予算、及び「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」に必要な予算を確保するとともに、長期安定的に道路整備・管理が進められるよう新たな財源を創設すること。

一、高速道路が本来有するべき安全性・定時性の確保とともに、大規模災害時などに対する防災上の観点からも、「高速道路における安全・安心基本計画」において4車線化の優先整備箇所として位置付けられた区間の早期整備を図ること。

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