道路メンテナンス年報8月25日に公表 20年度点検結果とりまとめ

国土交通省は8月25日、2020年度に実施した橋梁、トンネルなど道路施設の定期点検結果を公表した。20年度は道路管理者に5年ごとに義務付けている近接目視や新技術を使った点検のサイクル2巡目(19~23年度)の2年目。点検の実施率は上がったものの、1巡目(14~18年度)で早期・緊急措置が必要と診断した橋梁の修繕で、国交省や高速道路会社に比べ地方自治体の対応に遅れが目立った。

20年度の点検結果を「道路メンテナンス年報」としてまとめた。年報によると、20年度の点検実施率は▽橋梁(2巡目全体の点検対象施設72万2556橋)21%▽トンネル(同1万958本)17%▽大型カルバートや横断歩道橋などの道路付属物等(同4万1283カ所)23%。2巡目初年度の19年度実施分と合わせた割合は橋梁38%、トンネル34%、道路附属物等40%となり、1巡目に比べ10~4ポイント上昇している。

1巡目点検で「早期または緊急に措置を講ずべき状態(判定区分Ⅲ・Ⅳ)」と判定した橋梁(対象施設6万8734橋)の修繕状況を見ると、自治体の対応に遅れが目立つ。道路管理者別の対策実施率は、国交省(3411橋)83%、高速道路会社(2537橋)66%と順調に進んでいる。ただウエートの大部分を占める自治体(6万2836橋)は55%にとどまり、特に市区町村(4万2352橋)は48%と低水準になっている。

2巡目点検に入り実施率向上 

橋梁38%、トンネル34%、附属物等40%

こうした課題を受け、市区町村で橋梁の維持管理業務に携わる土木技術者の不足は改善傾向にある。14年11月時点と21年5月時点を比べたところ、土木技術者がいない割合は市区が4ポイント低い5%、町と村がそれぞれ6ポイント下回る23%、57%となった。背景には都道府県単位で設置している「道路メンテナンス会議」による職員向け研修などで、技術者育成が進展していることなどがあるようだ。

今回の年報では新規に道路の舗装状況が示された。これによると、17年度以降4年間の点検の結果、「早期に措置すべき状態」の判定区分Ⅲ段階にある舗装の延長は国交省管理分が約5900㌔、地方公共団体管理分が約8900㌔。このうち、修繕など措置に着手した割合は、20年度末時点で国交省15%(約900㌔)、地方公共団体15%(約1400㌔)で、低水準にあることが分かった。

道路の舗装については、国交省では16年度に鋪装点検要領を策定。国、地方公共団体では点検要領等をもとに定期点検を鋭意進めており、今後、こうした課題も解消されるものと思われる。

国交省は道路メンテナンス年報の公表に合わせ、道路施設の点検結果や対策状況などを地図に落とし込んだ「全国道路構造物情報マップ(損傷マップ)」も整備。ホームページで公開している。

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