17年度道路予算 微増の1兆6662億円 直轄1兆5593億円、補助862億円

政府は12月22日、総額97兆4547億円の17年度予算案を閣議決定した。社会保障関係費が膨らみ、予算規模は過去最大。1億総活躍社会の実現や働き方改革など経済成長等に重点配分した。国土交通省の予算案は前年度比0・3%増の5兆7946億円で、うち公共事業費は同20億4000万円増の5兆1807億円で前年度と同水準の規模を確保。三大都市圏環状道路等の整備や近畿圏の高速道路料金の見直しを含む「効率的な物流ネットワークの強化」に同6%増の2529億円が計上された。道路関係予算案では、補助事業としてICアクセス道路に新たに95億円が計上されたほか、民間の発意で高速道路と民間施設を直結する専用ICの整備できる制度の創設も盛り込まれた。

国交省予算案のうち、道路関係予算は前年度を25億円上回る微増の1兆6662億円を計上。復興道路・復興支援道路等の緊急整備による東日本大震災からの早期復旧・復興や熊本地震の被災地の復旧・復興に取り組むほか、道路施設の老朽化対策、道路の防災・震災対策や代替性の確保のための道路ネットワークの整備等による国民の安全・安心の確保、生産性向上に資する物流ネットワークの整備等による成長力の強化に努める。

道路関係予算の内訳は直轄事業1兆5593億円、補助事業862億円、有料道路事業等207億円。直轄事業のうち「改築その他」は1兆972億円、「維持修繕」は3458億円となっている。

前年度比15%増となった補助事業のうち、「ICアクセス道路」に前年度比136%増の165億円を計上。スマートICへのアクセス道路の整備に対し集中的に支援するため、新規に盛り込まれた「ICアクセス道路補助制度の対象事業の拡充」に95億円が計上された。

また、高速道路と民間施設を直結する専用IC整備制度の創設も盛り込まれた。高速道路の沿道に立地するものの、既存のICから遠い物流拠点や工業団地、商業施設が高速道路との直結を希望する場合、専用ICの新設を認める。負担は民間企業だが、地方自治体の負担も想定される。

閣議後の会見で石井啓一国交相は「東日本大震災、熊本地震等による復旧・復興を加速していく。国民の安全・安心の確保のため防災・減災、老朽化、耐震対策等もしっかり進める」と決意を示した。

第3次補正予算案も閣議決定

また同日には災害復旧などの追加歳出6225億円を計上した16年度第3次補正予算案も閣議決定された。

国交省関係では、公共土木施設等の災害復旧等に要する経費として944億円、戦略的海上保安体制の構築に要する経費として30億円、公共事業等の発注平準化措置として国庫債務負担行為(ゼロ国債)の事業費2984億円が計上された。

17年度予算案、16年度第3次補正予算案とも、20日召集の通常国会に提出される。

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