3/7中央環状線、3/8圏央道 繋がる首都圏3環状道路

5年後の東京五輪を視野に、中央環状線、東京外かく環状道路、圏央道の首都圏3環状道路の整備が急ピッチで進む。7日には首都高品川線が開通して中央環状線が全通。翌8日には圏央道・寒川北~海老名JCT間が開通、「さがみ縦貫道路」の全通が実現した。中央環状線の記念式典に出席した太田昭宏国交相は「来年度末までに、首都圏3環状道路は約8割完成する。その整備は日本経済にとって大きな起爆剤になる」と意義を強調。舛添東京都知事、黒岩神奈川県知事ら関係者も、新しい首都圏の創出に思いを馳せた。
中央環状線探訪の全通 ~計画から半世紀、経済の底上げに寄与~日本最長18.2㌔トンネル誕生へ
首都高速道路中央環状品川線(高速湾岸線~高速3号渋谷線)が7日午後に開通し、全長47㌔の中央環状線が全線開通した。同線は東京外かく環状道路、圏央道とともに首都圏3環状道路を構成するが、3環状のうち初の全通となる。交通の分散化による渋滞の解消のほか、新宿~羽田空港間の所要時間が約20分と大幅に短縮されるなど、首都圏の国際競争力強化の中核を担うことになる。
 品川区五反田の山手トンネル内特設会場で行われた東京都、首都高速主催の記念式典には舛添要一知事、菅原秀夫社長のほか、太田昭宏国土交通大臣、小池百合子衆院議員など地元選出国会議員など来賓も多数駆けつけ、総勢約330人が出席。中央環状線計画からの半世紀を彩った国産メーカーのクラシックカーによる通り初めに歓声が上がった。
 式典の冒頭、主催者を代表して挨拶に立った舛添知事は「中央環状線の全線開通は、移動時間の短縮や渋滞緩和など様々な波及効果が見込まれ、首都圏全体、日本全体の発展に大きく寄与する」と開通の意義を強調。「今後、5年後の東京五輪まで外環道都内区間を何とか開通させ、東京をまったく交通渋滞の無い初めての都市にしていきたい」と決意を語った。
 来賓挨拶では、太田国交相が「高度な技術力が発揮され、力を尽くされた多くの関係者に敬意を表したい」と祝辞。「首都圏3環状道路は来年度末までに約8割が完成する。高速道路ネットワークは、観光や物流の大きな起爆剤になるものと確信しており、国としても全力で取り組む」と語った。
 今回開通した品川線は、湾岸線・大井JCTと中央環状線・大橋JCTを結ぶ区間で、延長9・4㌔。大半がトンネル構造で、大橋JCTで既に開通している渋谷線~池袋線と接続。板橋区の熊野町JCT以南が山手トンネルとつながるため、約18・2㌔の日本最長のトンネルが誕生した。

圏央道・寒川北~海老名間8日開通 神奈川の縦軸”さがみ縦貫道”全通

首都圏中央連絡自動車道は8日午後9時、神奈川県内の寒川北(高座郡寒川町宮山)~海老名JCT(海老名市社家)間延長4.3㌔が開通し、総延長約300㌔のうち約200㌔が開通済みとなった。開通区間は地域で「さがみ縦貫道路」の名称で親しまれる茅ケ崎JCT~都県境区間約34㌔の一部。今開通により「さがみ縦貫道路」は待望の全線開通を迎えた。  
 海老名南JCTでは、開通に先駆け、午後2時から式典が行われ、主催者の鈴木馨祐国土交通政務官が挨拶で「本日の開通で圏央道は7割が開通し、神奈川県内の縦軸であるさがみ縦貫道路が完成した。神奈川県内では『さがみロボット産業特区』の誕生によりロボット関連企業の集積が進んでいる」と報告。

黒岩祐治知事はガッツポーズで登壇し、「圏央道で繋がることで、海のない県の方々が湘南を目指して来てくださると思う。進めている『神奈川シープロジェクト』とともに海の魅力を高めて行きたい」と力を込めた。
 神奈川県立湘南台高校吹奏楽部の、滝廉太郎「箱根八里」、サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」で幕を開けたセレモニーには、地元小学生や沿線のゆるキャラも参加。テープカット後には、ボートを牽引する車両なども加わっての通り初めが行われ、湘南地域へと繋がる圏央道をアピールした。
 開通イベントには今開通で繋がる地域から11ヵ所の道の駅が参加して特産品販売や観光PRを行い「圏央道で遊びに来て」と参加者に呼びかけた。平成31年7月にオープン予定の道の駅「サザン茅ケ崎」のスタッフは、「この開通を計画推進の足掛かりにしたい」と期待を寄せた。

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