町から村から 2020年12月

四国横断道「宿毛~内海間」早期事業化について要望

四国西南地域道路整備促進協議会/高規格道路「宿毛~内海間」整備促進部会/愛媛県愛南町長 清水雅文/高知県宿毛市長 中平 富宏

四国西南地域の道路整備促進につきまして、平素から格別のご高配を賜り、深く感謝申し上げます。

また、四国横断自動車道の中村宿毛道路を、今年7月に全線開通していただき、厚くお礼を申し上げます。

さて、愛媛県愛南町と高知県宿毛市は、四国の西南端に位置し、四国西南地域の中でも地理的、地形的要因により、高速道路をはじめとする道路整備が遅れ、産業や経済面での立ち遅れを余儀なくされている。

このような中、熊本地震や四国でも猛威を振るった平成30年7月豪雨、令和2年豪雨など、近年、全国各地で大規模な自然災害が頻発している。とりわけ四国西南地域においては、発生確率が益々高まっている南海トラフ地震の発生により、宿毛市で最大25㍍、愛南町でも最大17㍍の大津波が予測され、地盤沈下を伴った長期浸水により、唯一の幹線道路である国道56号の寸断が懸念されている。特に空港が遠く、鉄道がない愛南町において、災害発生直後からの迅速かつ円滑な支援部隊の進出に必要な緊急輸送ルートを確保するためには、愛南町で計画中の防災機能や地域交流機能を併せ持った防災休憩施設や、海上輸送拠点となる宿毛湾港や防災拠点の整備などと連携した、信頼性の高い高速道路ネットワークの構築が急務となっている。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、経済を取り巻く環境は急激に悪化しており、地域経済を下支えし、感染症収束後における物流・観光等の経済活動を復興するためには、国内への産業回帰や分散型社会を推進する道路整備が必要であると、改めて認識されているところである。

四国横断自動車道「宿毛~内海」が開通すれば、全線開通した「中村宿毛道路」や、整備が進められている「津島道路」とつながり、循環型ネットワークが形成されいる。これにより、養殖マダイや養殖ブリにとどまらず、完全養殖に成功したスマや、人工種苗の量産体制の確立に取り組んでいるクロマグロの販路が大幅に拡大し、基幹産業の更なる発展が期待できる。また、高速道路ネットワークの整備と相まった地域の豊かな自然や歴史的資源を活かした観光客の受入体制の強化や、温暖な気候を活かした各種スポーツ大会・合宿を誘致する施設整備等の取り組みにより、交流人口の拡大が望める。

ついては、南海トラフ地震等の自然災害への備えとして地域防災力を強化し、地域経済の活性化を図っていくためには、「宿毛~内海」の早期が不可欠であることから、ここに次の事項を強く要望する。

    記

1.四国横断自動車道「宿毛~内海」について、都市計画・環境アセスメントを進めるための調査を速やかに完了し、早期の新規事業化を図ること。

2.南海トラフ地震等の大規模災害に備え、地域の安全・安心を確保するため、また、ポストコロナ時代の「新たな日常」を構築し、四国西南地域の豊かな自然を活かした産業や観光の振興等を図るため、高速道路ネットワークの着実な整備の推進はもとより、長期安定的に道路整備・管理を進められるよう、新たな財源を創設するとともに、21年度道路関係予算は要求額を満額確保のうえ、地域経済の下支え効果が確実な公共事業を含む補正予算を早期に編成すること。

2020年12月

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