町から村から(9月)

新型コロナ対応のため、全高速の第57回総会は書面で開催された。その後休みなく展開されている各地区の要望活動の取組みを紹介する。

賑わいのある地域創造へ 命の道の整備が急務
【四国8の字ネットワーク整備促進四国東南部連盟】

四国東南部地域では、歴史的・文化的資産を生かした周遊型観光や豊かな自然を生かした体験型観光の施設整備や受入体制の強化、体験型イベントの開催など積極的な観光振興に取り組んでいる。また、地域の特産品を使ったご当地料理の商品開発支援・販売拡大や農業の担い手確保と生産量増加に向けた新規就農者支援や環境制御技術の導入促進など、観光・産業振興による地域の活性化に取り組んでいるところである。一方で、発生が切迫する南海トラフ地震や激甚化する自然災害に備えるため、地域では高台移転の推進、津波避難タワーや防災拠点施設の整備など、防災・減災のための取り組みも進めているところである。

これらの取り組みの基幹となる四国東南部地域の幹線道路は、国道55号の1路線のみで代替路もなく、大部分が海岸沿いのため、台風や集中豪雨による斜面崩壊や事前通行規制など長時間の通行止めが頻発する災害に脆弱な道路であり、救急医療搬送をはじめ、観光振興、農林水産物の流通など地域の発展や地域住民の通勤・通学などにも支障をきたしている。

このような状況の中で、四国東南部地域における高規格道路の整備は、計画段階評価未着手区間や未事業化区間が残るなど、依然としてネットワーク完成の目途が立たない状況であり、発生が切迫する南海トラフ地震が起きれば、幹線道路は津波や落石、斜面崩壊により寸断され、我々沿線市町村は、完全に孤立することを危惧している。大規模災害発生時の緊急輸送ルートを確保するためには、甚大な被害をもたらした東日本大震災時の教訓にも見られるように信頼性が高い高規格道路ネットワークの整備が急務である。

また、四国東南部地域の安全・安心なくらしを確保し、地域経済の活性化等のストック効果を発揮させ、持続可能で賑わいのある地域を創造するためには、「四国8の字ネットワーク」をはじめとする「命の道」の整備を着実に進めていく必要がある。このため、新型コロナウイルス感染症で疲弊した地域経済をV字回復させるため、さらにはポストコロナ時代の「新たな日常」を実現するために次の事項について強く要望する。
一、四国横断自動車道「阿南~徳島津田」「徳島沖洲~徳島JCT」、高知東部自動車道「高知龍馬空港~香南のいち」、「芸西西~安芸西」、阿南安芸自動車道「桑野道路」、「福井道路」、「海部野根道路」、「野根安倉道路」(直轄権限代行区間)、「安芸道路」の早期整備
一、計画段階評価の完了した阿南安芸自動車道「牟岐~海部」、「奈半利~安芸」の早期事業化と残る未着手区間である、「美波~牟岐」の計画段階評価の早期着手
一、高知県が補助事業として、整備を進める、「北川道路」(1工区、2―2工区)の事業推進に必要な予算の確保
一、国道55号の事前通行規制区間の解消、越波、豪雨等に伴う路面冠水等による通行止めが頻発する区間を解消するための防災・減災対策の早期実施
一、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策を着実に推進するために必要な予算・財源の確保
一、災害への備え及び観光等の経済振興のため、人流・物流の活性化に向けた高規格道路のミッシングリンクの解消、ダブルネットワークの構築
一、国土強靱化の事業計画に基づく道路の橋梁、トンネル等の老朽化対策の推進
一、頻発化する大規模自然災害の脅威・危機に即応するため、また、災害対応時の国からの継続的な人的・技術的支援確保のため、四国地方整備局及び各事務所の体制及び資機材の充実・強化
一、道路整備・管理が長期安定的に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、2022年度道路関係予算所要額の満額確保
一、通学路や園児の移動経路等の安全確保に必要な道路整備予算の確保

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