NEXCO3社 新たな更新計画公表 事業規模1兆円、500㌔

[caption id="attachment_13047" align="alignleft" width="300"] 1月31日に行われた記者会見[/caption]

東日本、中日本、西日本のNEXCO3社は、新たな更新が必要な箇所を取りまとめた計画の概略を公表した。5年に一度義務付けられた定期点検等で判明した更新事業の延長は3社計で約500㌔(上下線別の延べ延長約960㌔)、対策費は1兆円と試算した。3社の管理延長約9663㌔のうち、10年後の2032年には供用後40年が経過する高速道路が約6割に達する現状下、1月31日の会見で東日本の八木茂樹管理事業本部長は「今後、未知の領域となる」と更新事業の実情を説明。災害時の命の道、そして社会経済を支える高速道路ネットワークの役割を果たすため、更新事業を確実に進めていく考えを示した。

更新計画は3社共同で設置した「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」(委員長=藤野陽三城西大学学長)の中間とりまとめを受け、今回策定された。更新事業は15年より、高速道路延長9663㌔のうち約1360㌔で実施中だ。同委員会では事業化以降の詳細調査を踏まえ、新たな劣化事象や劣化の進行を確認。対策の必要性について検討を重ねてきた。

更新対象は「橋梁」と「土工・舗装」に区分。橋梁では桁の架け替えや充填材の再注入が約30㌔(上下線約50㌔)約2500億円、床版取替約20㌔(同約30㌔)約4500億円と試算。舗装の路盤部高耐久化は約440㌔(同870㌔)約2400億円とされた。3社別の事業費は東日本と西日本が各3000億円、中日本が4000億円と見込まれた。

新たに更新が必要な箇所の事例として、橋梁では西湘バイパス・国府津IC~橘IC間の滄浪橋、長崎自動車道・佐賀大和IC~多久IC間の嘉瀬川橋、鋪装では関越自動車道・水上IC~湯沢IC間の土樽地区、土工ののり面対策として山陽自動車道の木津地区が挙げられた。

NEXCO3社では更新事業を確実に進めるため、技術開発による生産性向上のほか、コスト縮減、体制の強化等に努める方針。また、今後の定期点検や詳細調査の結果に応じて事業が追加される可能性も想定している。

NEXCO3社 更新計画(概略)の概要

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